ルミナさんはありがとうと言うと図書部の部室を退室した
まぁいつものことだから。それにルミナさんにはいろいろと協力してもらわないと困る事もある
この図書部が成立しているのはルミナさんがいるからだ。
だって他の部員はほとんどは幽霊部員だ。
つまり実際に部活動に関する会議に出るのは私かルミナさんのどちらか。
あるいは両方になる。もしルミナさんがいなかったら部としてはあまり表立って活動できない

「努力はしてみるっていったけど、少し無茶をしないといけないかもしれないわね」

私はルミナさんの役割を引き受けた事を少し後悔しながらも大切な友人のためである
努力はしてみる事にした。上手くいかなかったらルミナさんに謝るしかない
とりあえず静かな時間を利用して、いつものように本を読みながら静かな時間を過ごした
本当に静かな時間だ。今は大学の授業中だからというのが大きな理由でもある
読書をしていると時間が早く過ぎるように感じるようで、
私がもう1冊の本を読もうかと考えようとした時にチャイムが鳴った

『トントン』

図書部の部室のドアがノックされた。
今の時間にここを訪れる人はかなり限定されてくる
いったい誰なのかと思いながらも私はドアを開けた

「図書部に何か御用件ですか?」

ドアをノックしてきたのは女性だった。彼女の事はよく知っている。
大学でも美人であること。それに両親は第二東京市に住んでいるかなりの資産家の1人娘であると
名前は八坂サオリさんだ。今はこの大学で生物学を学んでいる
かなりの美人である事と豊富な知識を持っている事で有名だ
今までに何人もの男性からアプローチを受けていたらしい。
ところが本人はすべて断っていたと噂で聞いていた

「実は図書部にお願いが」

珍しい事もある。図書部に相談したいことがある人物が現れるなんて
私はどのような内容ですかと聞くと今度購入希望される本にこれを混ぜていただけませんかとのことだ

「わざわざ図書部に頼むなんて、誰から裏ルートがある事を教えてもらったの?」

図書部を経由して図書館への本の購入することを裏ルートという
表のルートは図書委員会の購入希望箱に本の購入リクエストを出す

「図書委員会に何度もお願いしたのですが通らなくて。委員の人にどうしたら良いか聞いたら」

そうしたら私に頼んだら何とかなるかもしれないと教えていたようだ
迷惑な話だ。私に責任を押し付けないでほしいところである
私はため息をつきながら彼女から購入リクエストの紙をもらった

「申請はしておいてあげるけど、絶対に通るという保証はないことは忘れないように」

「でもルミナさんはカオリさんに頼んだら大抵のことを通ると」

彼女の言葉に私は頭痛を感じた。ルミナさんも言いふらさないでもらいたいところである
これ以上の厄介事は持ち込まれたくない