私はとりあえず申請用紙を受け取る
あとでルミナさんにお説教をしないといけない。私に責任を半ば強引に押し付けてきたのだから
いくら私が図書部の部員であり図書委員会の委員だからといっても無茶が過ぎる
八坂サオリさんはお願いしますというと図書部の部室を退室していった

「私を本を購入するために利用される窓口にされるのは嫌なんだけど」

知り合いのためなら仕方がない
とりあえず私は購入申請用紙に書かれていた本の値段や価値などをノートパソコンで調べた
それらから問題なく通りそうなものを選別していった
こういう仕事は図書委員会で何度もしてきたので手慣れたものである

「これはダメね」

ある1冊の本に関しては価格が高すぎることからリストから除外することにした
全てのリクエストに答えるわけにはいかないのだから
その後も私はサオリさんが提出した購入希望リストから図書委員会で通りそうなものを選別していった。
私もすべてを通す事はできない。一定の範囲で抑えないと図書委員長に恨まれることになる
こちらの立ち位置が悪くなるような事態は避けておきたい
私の本の購入希望に関しても厳しくチェックが入る事になるから
こちらにまで影響が出るようなことはいろいろと困るというものだ
図書委員会で委員をしているのは本が好きだから。
その大切な特権をはく奪されるようなことは問題である

「本当に苦労するわ」

私はそんな事を呟きながら選定作業を進めていった
それにしてもここ最近の動きの速さに私は困惑している
ネルフにゼーレの残党。おそらく他にもあるのだろう
どれにしろ、ろくなことになることはあり得ない
損しかない状況に追い込まれつつあるのは確かである
私は望んでいないのに向こうから不幸という名の雨が降っている
雨でも大雨の中に寂しく傘を使って何とかしているのと同じような状況である

「面倒なことになってきたみたい」

選定作業はそれからすぐに終了した。
あとはこのまとめた購入希望本リストを委員会の部屋に持っていくだけだ
それで図書委員会の会議室に向かった。
とりあえず購入希望リストに関する申請書を未決済書類棚に提出する
購入審査に関する審議は10人の図書委員と図書館運営事務の人の皆さんと共同で話をする
そこで購入するかについて詳細に審議を行うのだ

「今度の図書委員としての仕事は終わりね」

私は疲れたと思いながら再び図書部の部室に戻ることにした
今日は教育実習を受けているあの高校はお休みなのだ。臨時休校という形で
おそらくネルフが絡んでいるのだろう。ここ最近だけで頻発する襲撃だ
ネルフの保安諜報部は忙しく活動していることは容易に想像できる
たまには私もゆっくりと図書部の部室で本を読むのも良いことだ
ここ最近はあまり時間が取れていなかったから