図書室に私が到着すると司書の先生が本の整理をしていた
彼ら以外にも碇レイさんやアスカさんも書籍の整理を手伝っていた

「今日は休校日のはずですが?」

私はあえて知らないふりをしていた。
何かあちらからアクションがあるのではないかと想定しての判断からだ

「あなたと話をするならここが一番だと思ったので」

アスカさんの言葉に私はため息をついた
迷惑をかけまくってくれている。できることなら穏やかに事を進めたい
なのにどうしてこれだけトラブルが舞い落ちてくるのか

「あなたたちは何を知りたいの?それとも神様気取りのバカげた連中の仲間であることを自覚していないの?」

何としても行動の私の私生活にまで介入されるのははっきり言ってしまえば邪魔な存在である
いつまでも『僕』を追いかけることはしないでほしい
『今の世界』で自らの意思で針路を決定して動いてほしいと思っていることは事実だ
過去に囚われている理由は大筋で分かっている。
彼らは今も『僕』の存在が影響していることを十分な程に理解していたのだ
私ももう自らの人生という名の道を妨害されるようなことは避けたい

「私はただ謝りたいだけで」

アスカさんの言葉に私は思わず殴りたくなった
何を今更だ。すべては対策が遅すぎた
もう戻る事はできない。過去は変えられないけど、囚われ続けることは良いことではない
だからこそ守らなければならない。私の水川カオリという名前で生きていくこれからの人生を
誰にも強要されることのない自らの決断による人生という名の道。少しずつゆっくりと歩いていく

「私の言っている事をあなた達は理解しているの?神様気取りをしている汚い連中と同じなのよ」

アスカさんやレイさんは私の言葉を聞いて表情を曇らせた。
あの時の事を知っている者はかなり限定されている
渚カオルでさえ完全に覚えているかどうかはわからない
実は言うと私ですら当時の出来事をすべて、そして完全に覚えているいうわけではない
そのため憶測の域しか出ない部分は存在するけど、『僕』正義の実行を行った
それだけは疑いようのない。ただし『僕』が望んだ正義と今の実際の世界の『私』が感じている正義、
それが大幅に異なることは事実である

「あなたたちは感謝しないといけないのに。彼はチャンスを与えた。それを踏みにいじった最低の行為をした」

私はそう言うと今日は気分が悪いので失礼しますと言って図書室を退室した
退室するとすぐにレイさんは追いかけてきた。待ってくださいと

「シンジ君はどうして助けてくれたのですか?」

レイさんの質問に私は彼は平等を求めていただけだと回答した
『僕』は平和になることをずっと望んでいた
なのに世界は私の望むべき方向に進むことは全くない
むしろ逆の方向に私は巻き込まれ続けている。大きなトラブルとして

「あなた達は大きな勘違いをしている。彼は自らが正義だと思ったのにそれを踏みにじった」

『僕』が守ろうとしたあなた達だと知ってショックを受けたとうまく使い分けて話を続けた。

「それは・・・・」

「あなた達ネルフは感謝されないといけないのよ。彼が本気で恨んでいたら、生きているはずがない」

『僕』はそう言うと図書室から1階職員室に向かった