市警察本部からタクシーでビジネスホテルに向かった
タクシーに乗った時から気が付いていたが尾行されていた。
追いかけてきているのはネルフ保安諜報部の部員だ
私のことを怪しんでいることはわかっていたがあからさまに尾行を仕掛けてくるとは想像していなかった
かなり状況的には厳しいことはわかっている
私は『神様』のつもりである。死ぬことはないだろう
『不老不死の人間』の姿をしている生き物なのだから当然である

「こちらでよろしいですか」

タクシーは特にトラブルが起きることもなく目的地のビジネスホテルに到着した
料金を払おうとしたとき運転手は意外な答えをした

「すでに料金をいただいています。それとトランクにある人物からあなたに渡すようにと依頼されたものがありますので」

「あなた。どういう立ち位置の人間かしら?ネルフ側かゼーレー側か」

答え次第では私は殺すことも辞さない覚悟を持ったが運転手の男性は1枚のメモを渡してきた
運転手はこの手紙も一緒に渡すようにと答えたうえで
手紙の内容を読んで私はある意味では呆れた。

「あなた。ネルフ側なの?」

手紙を書いたのは加持さんだった。なぜ今になってだ
こちらに恩を売るつもりなのかどうかはわからない
もしかしたら何か別の意図があるのかもしれない。常に最悪の事態を想定して行動しなければ命は守れない
とりあえず私は運転手に彼にとりあえず感謝するわと伝えてもらうことにした
タクシーのトランクにはキャリーケースが入っていた。それを持ってホテルに。
すでに部屋は予約済みなのでカウンターでカギを預かると私は部屋に向かった
部屋の周囲に不審な気配は感じられない。ひとまず問題はないだろう
だが状況というのは突然変わるものだ。私は部屋に入るとカバンの中身を確認した
そこにはアサルトライフルであるH&KG36が1丁入っていた
それに弾は100発とマガジンが3つもセットでだ

「まるで戦闘に行く兵士並みの装備ね」

カバンを後部トランクから降ろすと私はビジネスホテルに入った
カウンターで私の名前を伝えるとすぐに部屋の鍵を渡してくれた
ネルフが手回しをしていることは明らかだ
感謝するべきなのか。それとも何か別の意図があるのかについて入念に確認しなければならない
今は何が起きるのかわからない状況であることは誰の目から見てもはっきりしている
そして狙いがネルフ関係者の他に私もターゲットにされている
恨みを買う理由は多いので誰なのかを調べるのは簡単なことではない
それに第三新東京市警察だけでは対応できないことも事実である
第三新東京市はネルフのおひざ元である。警察よりも保安諜報部の方がかなり活発に活動している
それにスーパーコンピュータである『MAGI』を利用して私を監視するかもしれない
簡単に言ってしまえば、今の私は缶詰にされた立ち位置にいることははっきりしている。
私の協力者は限られてくるが、大切な友人を巻き込むわけにはいかない
必要なら自ら手を下すことが求められる