翌朝、私はホテルのベッドで目を覚ました

「今日は平和ならいいけど」

私はとりあえず教育実習を受けるために高校に向かうことにした
ただしH&KG36をこのままホテルに置いておくわけにはいかないので
分解してアタッシュケースに収めた。それを持って私は実習先の高校に向かった
ちなみにホテルの料金は1週間分前払いで支払いがされていた
誰が支払ったのかは気になるところだが。予想はついている。
アサルトライフルをもらった時に加持さんからメモをもらっている
つまりネルフがこのホテルの宿泊代を支払っているということだ。
できるだけ慎重に行動をすることが重要だ。
ネルフに情報が渡るようなことは極めて危険である。
彼らに私の情報を渡すわけにはいかない。
汚れた組織なのに英雄という看板を宣伝文句にしている
彼らに協力することなどあってはならない。
ネルフがゼーレの下部組織であることをどこかでばらしても良いのだけど、
信用する者はほとんどいないだろう。なぜならゼーレの存在は今は空白になっている
まるでそこだけ『存在していないような形』状態なのだ
真実を知らない者がいない方が良いというのはまさに彼らのことを指している
もしゼーレの主要メンバーが今も存在していたら大きな問題だ
ただでさえ分派という言う限られた構成員がいるだけでも問題なのだから
いつもと乗車する市バスの路線とは異なるが、私は高校に向かった
その道中でどこか監視されている視線を感じた

「またトラブルなんて最悪ね」

私を監視しているということはネルフかゼーレのどちらかの可能性が高い
狙いは何なのかはわからないけど、私の存在を利用しようとしているのかもしれない
その時にはとびっきりのお返しをしてやるつもりであるが手を出してくない限りは静観の構えだ
こちらからアクションを起こせば今後の行動に影響が出てくる
楽しい教育実習の時間を妨害されるのは好ましいとは言えない
ようやく幸せに過ごしているのに邪魔されるのは嫌な話だ
市バスは順調に走行して高校の前のバス停に到着した
私は多くの高校生と一緒にバスから下車すると監視している人物は降りることはしなかったが
こちらの動向を探っているような視線は明らかだ
何を仕掛けてくるかわからないけどやられたらやり返すだけの話だ
多くの高校生と一緒に私は高校の敷地に入り職員室に向かうと突然後ろから抱きしめられた

「カオリ!調子はどんな感じ?」

声をかけてきたのはルミナさんだった
ルミナさんはいつものように明るい声で話しかけてくれた。
私にとっては大切な親友である。ルミナさんは私が何かに絡んでいると疑っているはず。
それでも詮索をするようなことはしてこない。本当にとても信頼できる友人である。

「寮にはしばらく帰るわけにはいかないから大変ですよ」

寮に戻れば更なる攻撃が想定される
私の影響を他の友達に巻き込むわけにはいかない
今はホテルで過ごす方が安全である