その後はまたしても第三新東京市警察の事情聴取を受けると思っていた
しかし今回は彼らは関与するつもりはないようだ
ネルフの保安諜報部が動き出した。つまり加持さんが出てくるわけだ
私を狙ったものなのかどうかを調べるためだろう
碇ユイさんを狙った攻撃なのか。それとも私が狙いなのか
それは私にもわからない。何が原因なのかを私が知る機会はないことは間違いない
だって私は『普通の大学生』なのだから。

「私が狙いでなければ良いのですけど」

ネルフ側から事情聴取をしたいというアプローチがあることはわかっているが、
ジオフロントに降りるつもりはない。
もし事情聴取をしたいなら市警察本部でしか応じない
誰が地下の穴倉に入りたいと思うものか
もう『僕』は彼らとは違うのだ。『私』はネルフに協力するつもりはない
自分のことぐらいなら自分で守ることができる
ルミナさんたちは大切な親友だから彼らのことは私が守る
私がいる影響で大切な人たちが傷つくことは嫌なのだ

「最近よく会うことになっているね」

加持さんが来て私の姿を見つけるとそう言った

「私としては迷惑な話なのですが」

「今回のことは君に感謝をしないといけないようだね」

「あなた達は私を利用して何をするつもりですか?」

私はネルフがさらなる権力を手に入れるために利用されるのではないか危惧していた
何度も言うがこれ以上彼らに協力するつもりなど全くない
必要ならどんな手段を使ってでも妨害工作を行う。
もちろんその中には関係者の口をふさぐために危険な行為を行うことも考えていた

「シンジ君のことと深く関わっているから君の行動を監視しないといけないからね」

ネルフは『僕』のことをよほどほしい。
おそらくサードインパクトで起きた忌まわしき『儀式』について知りたいのかもしれない
だからと言って簡単にしゃべる必要はない
元々ネルフはゼーレと密接した関係があったのだから、私にとってはどちらも『同罪』と考えている

「本当に君はシンジ君からいろいろと聞いているみたいだね。でも君が狙われていることは覚悟があるのかな?」

「私が狙われたのかどうかをどうやって判断するのですか?」

碇ユイさんがターゲットにされているのではないですかと私は返答する
ネルフも私と碇ユイさんのどちらがターゲットにされたかわかっているとは思えない
碇ユイさんもネルフにとっては重要人物だからである。
一方私は『僕』と関係があった人物と思われているはず
だからどちらがターゲットにされているかと考えた時に私だと断定できていないはず
そもそも強襲してきたやつらがどこの組織に属しているかまではまだわかっていないと思う
だから私はまだ言い逃れをすることはできる。真相がわからない間という時間制限付きではあるが