結局、この日も私はネルフ関係のトラブルに巻き込まれた
本当に嫌な話であることは間違いない。接触を断つつもりでいるのに彼らはあきらめることを知らない
どういうつもりがあるのか真偽はわからないが
私はもう『碇シンジ』ではなくて水川カオリなのだから

「こちらとしては君がどんな秘密を抱えているのかを知りたいから協力してくれないかな?」

加持さんはかなりしつこい人間だ。
まぁネルフを守ることが仕事なのだから、私という危険人物を放置するわけにはいかないのだろう

「お断りします。あなた達ネルフに協力するなんてただでさえ迷惑な話なのに、これ以上追い詰められたくないので」

ネルフに協力したらどんなことになるか
だから私はもう彼らにどんな些細な情報も渡すつもりはない

「私を拷問にでもかけてみるなら覚悟してください。私も黙っていませんから」

「それはつまり報復を仕掛けるという事かな。俺としても女性を拷問にかけるようなことはしたくないからね」

そのセリフに私はネルフの『真実』を知っているから信用できるものでないことは察しが付く
彼らは必要ならどんなことでも仕掛けてくるはずだ。攻撃してくるならたっぷりと利子をつけて報復する

「ネルフがどれほど汚い組織であるかは私はよく理解しています。もしかしたらゼーレ以上に」

『僕』はそんな大人の汚い陰謀に巻き込まれて悪夢を見ることになったのだから
そんな組織を私が容認するなんてありえない。
本来なら真実を暴露しても良いのだが、それをしないのはあくまでも私なりの温情をかけている
『父さん』と『母さん』がいるから謝罪のチャンスを与えた
チャンスというべきかどうかはそれはどの角度から見るかによって変わる

「本当に君はシンジ君からいろいろと聞いているみたいだね。情報を教えてくれると助かるんだけど」

加持さんの言葉に私は『汚れた組織』に協力するつもりはないと返答した
ネルフもゼーレも同じ組織と考えても問題ないはず
元々は密接な関係を持っていた組織なのだから、間違っていることではない
だから『僕』はどちらの組織も許すつもりはないし協力もしない
強引な方法をとるならこちらはあらゆる方法で報復してやる
ネルフに妨害されるくらいなら関係者を抹殺することも考える
もうネルフとの関係のない水川カオリなのだからやられたらやり返すだけだ
ケンカを売ってきたのはネルフやゼーレの連中だから迷うつもりはない
私は弱い存在ではない。

「これは警告です。もし私の妨害するつもりなら覚悟をすることです。あなた達がどういう人物だったのか暴露しますので」

私の強気の言葉に加持さんは十分君の考えはわかっているよと答えた
こちらの態度を明確にしないとどんな妨害があるかわからない
報復のための手段はいろいろとプランを用意している
いつでも実行できるように用意もしているのだ