「君の望みは何かな?」

加持さんの質問に私は簡単に答えた。
これ以上私には関わることをすればどんな方法を使ってでもネルフの真実をマスコミに流すと
そんなことをすればネルフの立場は大きく変わる。
もし危険な方向に流れ続けるとネルフそのものが存在できない状況になる可能性も出てくる
切り札としてはかなり効果的ではある。だけどリスクもある
『私』の情報が漏れることが確実になる。こちらにもトラブルが発生してしまう
それはあまりにも良好な状態とは言えない
まさに生死の分かれ目と言った感じの状況に私も追い詰められる

「あなた方はどう思っているかは知りませんが。碇シンジ君を殺したのはあなた方だ」

その責任を理解できていない段階で、大きな間違いをしている
私は加持さんに言うと彼は痛いところを指摘されたねと返答した
彼だけは自らの『罪』を理解しているようだ
だが、ネルフの幹部はそんなことを思っていないだろう
特に『碇ユイ』と『碇ゲンドウ』は。彼らは自らの知識を得るために多くのことをしてきた
穢れた世界を作る『ゼーレ』の計画を利用して。
『碇ゲンドウ』は『碇ユイ』を取り戻すために。そのために様々なことをしてきた
汚いことをしてきたことを償いたいから、今になって私に接触をしてきたのかもしれない

「あなた達は碇シンジ君のやさしさに感謝しなければならない。本当なら死刑判決を受ける立場なのに」

ネルフは法律的には特務機関であり、法律を無視することはできるかもしれない
でもある存在だけは問題になることは確実である
それは『綾波レイ』に関することだ。彼女が生まれた経過をたどれば倫理的な話どころではない
彼女自身の存在する理由も大きな問題になる。

「神様が隠していたパンドラの箱を開けた段階で、世界から抹殺されるはずだった」

そうならないのはうまくネルフが事実を隠していたからだ
だけど、私は『作られた神様』であり、マスコミなどに流せばネルフは最悪の状態になる
ネルフもそうならないように必死に証拠を隠滅するかもしれない。
『僕』はそんなことにならないようにするつもりで行動する

「でも彼によってネルフは救われた。自らの罪を自覚して生きていくことを願って」

でも実際はネルフはマスコミなどを使って情報操作。
ネルフが正義でゼーレが悪にした。ネルフも悪の組織なのにすべてを独り占めした

「ネルフは彼が願ったこととまったく異なる方向で動いた」

『僕』としても本当に最悪である。
今度ばかりは『僕』は利用されないように『私』は動く。

「私はある本が好きなんです。それはライ麦畑で捕まえて」

意味は分かりますよねと加持さんに話した
あなたは世界中で起こる何もかもがインチキに見えるのでしょうねとも
実際にネルフがしたことは世界中にインチキをばらまいた
自らの存在を誇示するためにネルフにとって都合が良くなる方向で