私と加持さんとの話はそこで終わった。
問題なのは今後の私の立場をネルフが警戒してくる
元々警戒されているから、今さらなのかもしれないけど

「では今日はこの辺りで事情聴取で終わるよ」

「言っておきますが、私はネルフは信用するつもりはない。彼を追い詰めたのはあなた達」

『僕』のことを利用するために今後もネルフは監視を行ってくる
抹殺することができるのであれば行いたいところだけど、下手な行動を起こすと『私』の立場が危険になる
様々なことを考慮に入れて行動することが必要になるのだ
問題にならないようにすることが極めて重要である

「とりあえず、またホテル暮らしをしないといけないわね」

お金がかかることを『両親』伝えるわけにはいかない
もしこの事実を伝えたら心配してこの街で同居しましょうと心配してくれる
私には今まで味わうことができない幸せであるが
警察署から出ると私は近くのバス停の停留所で待っていると、バスではなくタクシーが近づいてきた
そのタクシーの運転席に乗っている人を見て少し安心を感じた
タクシー業務というのは表向きのかたちで、実際には私とあるものを取引することで親しい関係にある

「乗っても大丈夫ですか?」

運転席の男性はどうぞというと私を車内に入れてくれた
後部座席に座ると彼がすぐに車を発進させた

「大丈夫だったのか?最近は君はいろいろと狙われているから気にしているんだが」

男性は心配そうな表情をしながら声をかけれてくれた

「少し状況は良くない傾向にあります。今後は何を仕掛けてくるか全く予測できないです」

私の言葉に運転している男性は怖いことだなと返答した
今後の展開がどうなるかは全く予測できない。
もしかしたらとんでもない大騒動になることも覚悟に入れなければならない
最悪の事態に備えて何か手段を用意する必要がある
問題はその時の利害関係がどうなるか。ネルフに『僕』は良い感情を持っていない
確かに今の『私』を作り出したのはネルフだ。そしてその上の上部組織であるゼーレである
彼らから見れば私は何を隠しているかわからないから、組織から狙われる暗殺対象になる
それでも真実離すつもりはない。私は『人によって作られた神様』だから
どちらにも傾向しない中立的立場で物事を判断する
それが今の『僕』に求められることであり『私』という存在価値でもある

「君に以前依頼されたことだけど、ネルフのガードはかなり高い」

「面倒なら抹殺する手もありますが、実行すると彼らから圧力があるのはわかっているので」

だから私は今も強硬な手段を取るつもりはない
今のネルフとはある程度の距離を保ちながらやり過ごす方向で進めようとしている
ただ、現実では状況がいつ変わるかは全く予測できない
もし危険な方向に向かうなら強引な対抗手段を選ばざる得ない時もあるだろう
そんなことは百も承知だ