私はため息をついてしまう。
平和な場所だったこの学び舎でも私の行動を妨害してくる組織が増えている
迷惑な話なのは分かっている。いつかはこんなことになるのかもしれないと想定していた
だけでここまで急激な川の流れと同じように流れが変わるとは驚いていた

「本当に迷惑なことばかり。何者かはわからないけど、背後で動いていることは間違いないわね」

ここまで急な動きは明らかにおかしい
『僕』のことを探り出して『真実』を調べようとしていることは間違いない
問題はその人物か組織がどんな立場の関係者かだ
ネルフということは考えられない。公式にこちらにアプローチをしている
つまりゼーレの関係者かもしれない。まだ憶測でしかないが

「どこの誰かは知らないけど、お礼はしっかりとしてあげないと」

お礼とは簡単に言ってしまえば仕返しのようなものだ
攻撃されたからと言って、何もしないで黙っていることなどできるはずがない
私を攻撃してきた組織を調べ上げて、関係者を抹殺する
それ以外に対応する方法がないことはわかっている
今の平和な暮らしを守るためなら手段を選ぶ余裕や時間が無いことははっきりとしている

「どんなことをして報復攻撃を始めようかプランが必要ね」

『僕』は少しぐらいなら『あの時』のことを知っている人物に攻撃を仕掛けることを考え始めた
『僕』だった頃は飼い犬のようにおとなしかった
でも今は大きく異なっている。必要なら飼い主ですら制御できない狂犬のような行動をする
それくらいの覚悟がなければ『僕』が『私』として生きることは難しい

「誰が私に仕掛けようとしているのか早急に調べないと」

もしこの一連の流れに『あそこ』が絡んでいるなら面倒になることは確実だ
『僕』が知る限り、『あそこ』の連中は戻っていないはず
つまり一部の過激派が存在していることを示している
事実なら早く『処置』しなければこちらの生活に影響も出てくる。
それに私だけでなく、大学の大切な友人に危害が加えられるかもしれない
そうなる前に問題解決が必ず必要な条件になってくる

『ピーピーピー』

私の携帯電話が着信を告げていた
相手は公衆電話からかけていることが分かった
つまり私に電話をしてきたのは発信者が誰なのか知られたくないようだ
私はあえて電話に出ることはなかった。
理由はシンプルで、どこのだれかが知らない人物にこちらをマークされるわけにはいかない
何者かがわからないならなおさらである

「なんでこんなに問題が山積してくるのか知りたいわ」

同じことばかりを考えてしまう
『私』は平和な生活をしたいだけなのに、『僕の過去』がまるで鎖で結ばれているようで離れてくれない
何とかしてこの状況を乗り切りたいのだが。
本当に苦労する状況に追い込まれつつある
迷惑であることはわかっているけど、こちらが下手に動けば監視が強化される
そういう意味では今はいつもの『日常』で過ごすことが求められる