その日の夜、私はルミナさんと寮に戻るとレポートを作成してインターネットで報告していた

『そうか。君もそう思うか』

「はい」

私は私たち調査官を統括している人とインターネット会議をしていた
どうやら、ほかの調査官も意見は一致しているようだ

『明日、夕方の会議の時に会社に来てもらえるかね』

「わかりました」

私はそういうと通信を終えた。
あとは実際の感覚を報告したらお仕事は終了だ

『ピーピーピー』

私の携帯電話に非通知設定をしている電話機から着信があった
私は嫌な予感を感じながらも電話に出た

「もしもし」

『はじめまして碇レイと言います』

予想はしていたが行動が早い。今更になっていったい何を狙っているのか
気になるところだ。ここは情報を引き出すことにした

「有名人のあなたが私に何か御用件ですか?」

エヴァのチルドレンは英雄視されている。
そんな人物が私に連絡してくるとは理由はおおよそ察しがついていた
『昔』の私について知りたいのだろう
だが話すことはない。何もかもが今更なのだ
すべては終結している。私の中ではだが

『あのもしよければお話をしたいのですがどこかでお会いできませんか?』

「申し訳ないけど、大学の授業が詰まっているから難しいの。ごめんなさいね」

本音を言えば会いたいなんて思っていない。むしろ毛嫌いしている
すべてを私から奪ったのは彼らだからなのだから

『ご迷惑なことは重々承知していますが、面会できないでしょうか?』

「悪いけど、私は孤独が好きなの。静かな生活をしているのを邪魔されるのは嫌いなので」

私はそういうとでは失礼しますと言って電話を切った。
いろいろとネルフも攻勢をかけてきた。さらにゼーレと思われる組織も現れてきた
もしもの場合に備える必要があるため私は壁のフックに引っ掛けていたリュックを手にした
その中には拳銃が入っていた。グロック17が1丁と予備のマガジンが3つ。そしてお金だ
100万円が入っている。ある研究をしていた時に特許を取得してその技術を欲しがる企業から特許使用料としてもらった
さらにクリーンな身元ID。いわゆる緊急事態に備えたクラッシュキットだ
いつでも逃走できるようにするための道具だ。万が一にと思って用意していたものだがそれが必要になるかもしれない
できることならこれは使いたくなかった。ようやく勝ち得た平穏な生活から逃亡者になるのだから
幸せな世界から逃げることになる。私としてはそういうことは避けたかった
だが現実を見なければならない。理想だけでは生きていくことはできないのだから