翌朝、私が目を覚ますと学生寮から大学へと歩いているとルミナさんが後ろから抱きしめてくれた

「カオリ、何か悩みがあるなら相談に乗るわよ」

「大丈夫。ちょっと寝つきが悪かっただけだから」

私は今の自分の置かれている状況のすべて、つまりネルフの話をするつもりはなかった
ルミナさんにまで迷惑をかけるわけにはいかないからだ
これ以上迷惑をかけることになるなら私は大学を退学するつもりだった
教授には申し訳ないがネルフチルドレンがいる学校への教育実習については
辞退する方向で話をしようと思っていた

「それで本気なの?」

「私がネルフにかなり警戒されているのに行きたいと思う?」

「それはそうだけど。だったら教授に私を選好してもらえるように頼んでくれたら応援するわよ」

「ルミナ、もうメールで私はネルフにかなり警戒されているので辞退してルミナさんが適正ですと送っておいたわ」

「ありがとう!」

なら協力するわとルミナさんは言った

「それでどうするつもり?」

「しばらくの間、休学とかを取ってお母さんのところに戻ってみようとか考えてみたんだけど」

「海岸の町に?」

「そうね。きっとこれから何か起こるとするなら私は大学にいないほうが良いわ」

『ピーピーピー』

私の携帯電話が着信を告げていた。
相手は正体を明らかにしたくないのか非通知設定だった
この時、私は電話に出るべきか悩んだが。とりあえず出てみることにした

「もしもし」

『君は狙われているよ。気を付ける方がいい』

そういうと通話は途切れた。音声も変声機を使ったような声だった
ルミナさんは誰からだったのと聞いてきたので知らない人ですよと答えた
相手が誰なのかわからない以上早めに市外に出た方が良い。
いや、むしろ出る方が危険かもしれない。海岸の町に影響を
お母さんに迷惑をかけるかもしれないと思ったのだ
それを考えると今、市外に出るのは危険かもしれない。
どうしたらいいのか悩んでしまう
そんなことを考えながら大学に到着すると私はすぐに校内放送で呼び出された
学長執務室にだ。何か嫌な予感をしたのだ

「失礼します」

学長執務室に入ると高波教授がいた

「高波教授、何かあったのでしょうか?」

「ネルフから君の教育実習先を早く決めてほしいと言ってきてね。学長とも相談をしていたんですよ」

要するに圧力をかけてきたという事だ。
大学としても勝敗は見えている。私に行ってほしいと

「学長。私は」

「君は我が大学で最も有望な人材だ。私としても圧力に屈したくはないのだが、私の顔を立てると思っていってくれないか」

「学長。どうしてもですか」

学長は君が嫌がっていることは知っているが何とか頼むよと。
学長としても立場があるのだろう。これ以上迷惑はかけられない。
今までにもいろいろと迷惑をかけてきたのだ。

「わかりました。承諾したとお伝えください。学長には負けました」

「すまないね。これも優秀な成績を持っている君だからこそだから」