「ネルフのことをそんなに嫌うほどシンジ君にいろいろと教えられてきたのか聞きたかったので」

「ええ、いやというほど聞かされてきたわ。だからこそ彼は自殺した。自らの運命に終焉を迎えさせた」

そう、私はもう碇シンジではない。そして男ではなく女性なのだ
DNAも異なっているのでバレるはずがない。
だが彼にはどこか見透かされたかのように感じてしまった
ある意味では不安で仕方がなくて、できる事ならここから今すぐにでも脱出したかった

「それで聞きたいことっていうのはそれだけかしら?」

「もう1つ教えてください。シンジ君はどうしてあなたに頼ったんですか?」

「私と彼の出会いと別れを話すと時間がかかるわ。でもこれだけは言える。彼は人々のために立派なことにした」

それだけよと私は伝えた

「立派な事をしたのに、どうして自殺を止めなかったんですか?」

「それが彼の願いだったから。私は見届ける事を宿命として背負ったのよ」

いまさら彼らと関わるつもりは全くなかったのだが
ここにきて急にことが動き出してしまった
だからこそ私としてはアスカたちと接触することは避けたかった
今となってはもう遅いが。

「重い罪の十字架を背負ってもですか?」

「彼は私に選択することを約束してくれた。私はその重い罪の十字架を背負うことを覚悟して引き受けた」

あなた達ネルフが正義の味方じゃないことを立証する証拠としてねと渚カオルに伝えた
そう、ネルフがきれいな組織だったというのは嘘だ。
すべてはゼーレのシナリオを実行するための部隊に過ぎないのだ
今でこそ世界に正義の味方だと表明しているが実際は違う
汚い汚れた組織には変わりないのだ

「そうですか」

「話はこれで以上ですか?」

私は職員室に戻りますのでと伝えると屋上から職員室に戻っていった
すると屋上の階段の近くでルミナさんが待っていた

「カオリ、大丈夫?」

「ルミナさん。大丈夫ですよ」

私は苦笑いをしながら心配しすぎですとルミナさんに伝えた

「これでもあなたをできる限り守るようにと高波教授から言われているから」

困ったことがあればいつでも相談してねとルミナさんが言う。
私はルミナさんの温かい言葉に感謝しながらも会談を使って1階の職員室に降りていった
職員室の前で彼女と会うことになってしまった

「碇レイさんですね。何か用事でもあるのでしょうか?」

彼女はまるで私が職員室に戻ってくるのを待っていたかのように職員室前の廊下にいた

「少しお時間よろしいですか?」

「ごめんなさいね。次の授業の用意があるからまた別の機会に」

私はそう言うと職員室に入っていった。ルミナさんと一緒に