私は教育実習を受けているので必要で重要なところは細かにメモを取っていった
それは隣にいるルミナさんも同じだった
私は授業の研修に集中したかったが何人かの人物と目線が度々あってしまった
その時にはすぐに目をそらして授業実習に集中した
それにしてもだ。ある程度は覚悟はしていたがエヴァパイロットたちから注視されている
そういった視線に私はあまり気持ちの良いものではない感情が出ていた
私はただ普通に生きて普通の世界を見ていこうと思っているのに
世の中そんなに甘くないということが午前中だけでもたっぷりと感じ取れた
ただ親しい友人であるルミナさんが一緒であることがまだ唯一の幸運であると言える
ルミナさんがいなければ私は逃げ出してしまっていたかもしれないからだ
今の私があるのはルミナさんのおかげなのかも
だとしたら私は最も幸運に恵まれているのかもしれない
ルミナさんという大切な友人がいるから今の生活があるのだから
その後も教育実習は順調に進んで授業が終了して放課後を迎えるころになってしまった

「いきなり大変ね」

ルミナさんの言うとおりだ。だがある程度覚悟はしていた。
仕方がない事があるのも事実だ
この街で生活をしていたらどこかで接触することは容易に想像できていた
だって私は教師を目指しているのだから
だからこそ苦難にも耐える事が求められる
いくら苦しい道だとしてもそれを乗り越えて。
そういったものを糧として前に進むしかないのだ
今更後ろに下がるわけにはいかないのだ
もう振り返るのはやめて前に進むことを決めたのだ
私とルミナさんは放課後に自分たちに割り当てられたデスクのイスに座ってレポートをまとめていた
その時だった。彼女がやってきたのは

「水川カオリさんですよね。私は碇レイと言います」

「以前携帯電話に連絡をくれた方ですね」

私は努めて冷静に対応する事にした
ここで怪しまれるわけにはいかないのだ
私は職員室を出る事にした。彼女と一緒に

「どんな話をしたいんですか?」

私は高校の中庭に出ると話をすることにした

「どうして碇君を助けてくれなかったんですか?」

「彼は人々を助けようと思った。でも彼には帰る場所はもうなかった」

私は家族なんていらないと思っていた。海岸の町で私を助けてくれたお母さんとお父さん
2人だけで私は満足だった。それ以上望むなんて贅沢なのだから

「でもここには居場所が」

「碇レイさん。あなた達ネルフにとって大事なのは碇シンジではなくサードチルドレンとしての価値だけ」

「・・・・・・・・・・・・・」

「あなたたちは彼と違ってあの儀式のことは覚えていないから」

「あなたは知っているんですか?」

「彼から少しは教えてもらう事ができました。彼はその儀式の事についてかなり苦しい思いをしていました」

真実をすべて教える必要はない。知らないほうが幸せの事もあるのだから
私はこの手の話はもう終わりにしましょうというと職員室に戻ることにした