私は職員室に戻るとルミナさんが出迎えてくれた

「カオリ、どうだった?」

「ルミナさん。大丈夫ですよ」

私は表面状は気丈に振舞ったが内心ではドキドキしていた
大学でいろいろと勉強を受けている間、私はある呼び名で呼ばれることが多かった
羊飼いという呼び名で。時間があれば図書館で図書委員としてずっと過ごしていたからだ
それがあるアニメの登場人物と似ている事からそう呼ばれていた

「さすがの羊飼いも容量オーバーってところかしら」

「やめてくださいよ。私が羊飼いという呼び名が好きじゃないことは知っているでしょ」

「でも羊飼いと同じような物でしょ。大学じゃ有名な話だったわよ」

「まぁ否定はしないけど。本は読めば知識が増えるから」

「あのアニメの主人公と同じセリフ。カオリ、本当は羊飼いなんじゃない?」

「やめてよ。そろそろ次の授業の時間でしょ。行きましょう」

確かに私は本が好きだ。何人にも侵されない聖なる領域なのだから
だから私は通っている大学でも数少ない図書委員をしている。
それに図書部にも在籍している。ただ図書部はマイナーで私とルミナさんしか在籍していないが
第三新東京市大学の図書館には膨大な所蔵があり管理するのも大変だが
本を読むことを苦に感じないので好きな仕事だ
大学の中では私の事を友人の多くはルミナさんの言う通り、私の事を羊飼いと呼んでいる
いつもやめてよねと言っているのだがカオリは似ているのよと言ってくる
私とルミナさんは次の教育実習を受ける準備をするとその教室に向かった

「ねぇ、カオリ。何か不安そうな表情をしているわよ」

「ルミナさん。これからの事を考えるといろいろと苦労があるからですよ」

どうやら私の不安な気持ちは表情に出ていたようだ
高校の廊下を歩いている時、嫌な気配を察知した
私はとっさにルミナさんを押し倒した

「カ、カオリ?」

ルミナさんは突然の私の行動に驚いた。
その直後、窓ガラスが割れて銃弾がルミナさんが立っていたところを通過した

「ルミナさん、大丈夫ですか?」

学校の壁には銃弾がめり込んでいた。私は自分の判断が正しかったことに安堵した

「え、ええ。大丈夫だけど。あれって」

「大口径の銃弾です。死ななくてよかったですね」

「カオリ、冷静ね」

ルミナさんの言う通り。私は冷静な対応をしていた
とっさに私は足首に手を伸ばそうとした
そこにはリボルバーであるS&W M686を装備していた
さすがにグロック17は学校内で持ち歩くわけにはいかないので
職員室に置いているカバンに隠している
銃に手を伸ばそうとしたがルミナさんまで巻き込むわけにはいかないと思って考えを変えた

「ルミナさんはここで隠れていてください」

「カオリはどうするの?」

私がおとりになりますからというとわざと射線上に顔を出して走り出した
すると再び銃弾をこちらに向けて撃ってきた
どうやっても私を消したい連中がいることは事実のようだ