高波教授を連れて教室に戻ってくるといつものように授業が始まった
困ったものだと私は思いながらも授業を熱心に受けていた
今日の授業を終えると私は校内放送で学園事務棟にある最も高級品が設置されている応接室に呼び出された

「水川カオリです」

私は緊張しながらもドアをノックしたところ扉の向こうから入室するようにと声がかけられた
わたしはドアを開けるとそこにはあの、私にとって悪夢でしかない3人が立っていた

「水川カオリさんですね。私たちはネルフ本部技術部のものです」

室内には私の本当の母親である碇ユイ、赤木ナオコ。そしてアスカの母である惣流キョウコがいた

「ぜひあなたの技術を共有しませんか?」

私の本当の母である碇ユイの言葉に内心では今からでも殺してやりたいと思っていた。
あれだけのことをして、その罪から今も逃れていること。
自分たちが首謀者なのに正義の味方のつもりなのかと

「水川さん。あなたが研究発表した新しいスーパーコンピュータに関する研究を私たちと一緒にしませんか」

私は今は教員免許を取得するつもりで大学で授業を受けていた。ただし最初は違っていた
最初は私も世界最高峰の技術を生かしたいと思った。だが神様なのだとしたらそれはあまりにも不公平だ
全て平等で過ごさなければならないのだから。だからこそ私は人々が幸せになれるように教師の道を選んだのだ。
教育学部に編入した時は誰もが試験をパスできないと思っていたとルミナが言っていた
私は1問も間違えることなく答えた。だからこそ大学1位の成績を保っている

「大変良いお話ですが私は教師の道を選びたいので」

私はお話はそれだけなら失礼しますと言って応接室を出ようとした

「私たちはあなたのあの論文に興味を」

私はそこで思わず怒りを感じた

「この際ですのでストレートにお話をしましょう。私はネルフと関係を持つことはありません」

私は声にして話さなかったが唇を読めることだろうことは想定できる3人に向かってこう言った
ゼーレの構成員と同類だと

「あなた、どこでそれを」

碇ユイの言葉に意思は伝わったということを理解することはできた

「私、何も知りませんので。では学長。失礼しました」

私はそう言って応接室を出ていった。
その後追いかけるように聞こえてきたのは応接室から慌てて出てきた誰かの足音だ。
私はとっさにお手洗い逃げ込んだ。そこには人が1人ぎりぎり通れる窓がある。
2階なので高所であるが捕まるよりはましだ

「やるだけやってみるしかないわね」

飛び降りると幸運なことに校舎のそばに立っていた木の幹の上に着地した。
ここからなら見つからないと安堵するとともに携帯電話でルミナに連絡を取った

「ルミナ、悪いんだけ手伝ってもらえない?この前のあなたが教授に提出するように言われていたレポートで手を打ちましょう」

『良いわよ。それで何をリクエストしてくれるの?』

「悪いんだけどさ。あなたを通してという形で学長には1週間ほどお休みすると伝えておいてもらえる?」

『トラブルってこと?』

私はまぁそんなところよと言うとルミナは任せてと返事をすると通話が終わった。
あとは大学敷地内から出ればいいだけだ。