私とルミナさんはとりあえず保健室に到着すると銃弾がかすった肩の応急処置を保健の先生が行ってくれた

「本当に幸運ですね。かすっただけで済んで」

本当に保健の先生の言うとおりだ。
私も不意打ちだったので一歩間違えたら危険だった
出血はそれほどなかったため、救急車が駆けつけてきたが救急隊員にも応急処置をしてもらった
彼らは病院に行きますかと聞いてきたが私は大丈夫ですと答えた
ただ、問題なのは市警察とネルフからの事情聴取を受けることは確実だ
警察については問題ないがネルフの聞き取りには簡単にはいかないことは想像できた

「世の中どうして平和じゃないんでしょうか」

私は応急処置を受けながら、思わず愚痴ってしまった

「苦労されてますね」

保健の先生からそう言われてしまった。
確かに苦労しているかもしれない。でもこの道を選んだのは私
なら歩き続けるしかないのだ。それがいばらの道であったとしても
そこに第三新東京市警察の女性刑事が入ってきた
何のめぐりあわせかどうか知らないが昨日と同じ女性刑事だった
早速事情聴取が始まった。保健の先生はしばらく退室しておきますねと言って保健室を出ていった

「大丈夫ですか?」

「はい。かすっただけですので」

「随分と幸運に恵まれていますね」

1度なら偶然。2度目は偶然ではないのではと疑っていたようだった

「私はネルフに勧誘されたこともあるのでいろいろと狙われているのかもしれません」

「ではなぜ警護をつけないのですか」

彼女の言うとおりだ。ネルフに勧誘されたなら警護が付けられるはずだ
それがないということは自ら断ったと考えたのだろう

「嫌いなので。束縛されるのは。自由が一番です」

「それでは本題ですが。なぜ撃たれると思ったのですか?」

「偶然ですよ?」

「1度目は偶然で片づけることはできますが。2日連続となると。疑惑が浮かびます」

どうやらこの女性刑事はかなりやりてのようだった。厄介な相手だ
私は白をきり通して何とか潜り抜けたが、もう1度あれば、彼女は私の身辺調査を始めるだろう
まぁされたとしても問題ないだろうが。

「とりあえず今はこの辺りで。もし何か思い出すようなことがあれば警察署に来ていただけますか?」

「わかりました。その時はお伺いします」

「ではこの名刺を渡しておきますので受付で警察官に渡してください。話は通しておきますので」

「はい」

女性刑事はそう言うと保健室を出ていった。私は思わず悩んでしまった
嫌な展開になる事が分かっていたからだ。今後監視の目がつくことは確実
行動制限がかかることになる。下手に動けばいろいろとまずいことになる
できればそういうことは避けたかったのだが、なってしまったものは仕方がないのだ
私はため息をついて保健室で憂鬱な気分でいるとネルフの保安諜報部の加持さんがきた

「随分と速い再会ね」

私は半分嫌味を言うかのように言う

「君が狙われているみたいだね。水川カオリさん」

「さぁ、私には心当たりはありませんので」

ここからはお互いの腹の探り合いだ