加持さんによる事情聴取が始まったが彼らに真実を話す必要はない
嘘をつくことにしたのだ。別に彼らに恩を売る必要もないことだし
「レイちゃんが狙われたというわけではないみたいだね」
「碇レイさんが狙われたと私は思うのですが。彼女はあなた方にとっては貴重な存在ですよね」
エヴァパイロットである彼女たちの存在は大きいはずだが加持さんは明らかに私を疑っていた
仕方がないと言えば仕方がないのだが
「君との話し合いはいろいろと大変だよ。何を考えているのか探らないといけないから」
「好きにすればいいでしょ。私は警察には協力してもネルフには協力するつもりはありませんので」
では失礼しますというと私は保健室を出ようと思ったが加持さんが私の手をつかんで止めた
「そろそろ腹の探り合いはやめないかな?」
どうやらこちらの考えを読んでいるようだ。だがこちらも負けるわけにはいかない
「私には興味のない事ですので」
今度こそ失礼しますというと私は保健室を出ていった
すると外では海岸の町で旅館を経営していて私の今の両親が待っていた
「お母さん、お父さん。どうしたの?」
「先生から聞いたの。あなたが狙われている可能性があるとね。だからいてもたってもいられなくて来ちゃったの」
「お母さん、お父さん、旅館は大丈夫なの?」
お父さんは1日ぐらいあけて心配ないと答えた
本当ならそんなわけないはずだと私は思ったのだが
きっと教授が連絡したのだろう。私の事について
「ねぇ、カオリ。少し休んでみたらどうかしら?心配なの」
「お母さん。私は大丈夫。それにネルフについていくつもりはないから」
「カオリのネルフ嫌いは徹底しているから何も口出ししないからそこは心配しないけど」
お母さんやお父さんにも真実というか私の本当の事を話したりしていない
もし知った場合、殺されるのではないかと私は懸念したからだ
だからこそ今はただの1人娘ということの方が安全だと考えた
迷惑をかけたくないという気持ちが全くないと言えばウソにもなるが
「大丈夫だよ。私は学校の先生になる事が目標だから」
「今日はこっちに泊まる予定をしているんだけど」
お母さんとお父さんは市内にあるホテルに1泊して安全を確認したいとのことだった
心配しすぎだって思うけどお母さんやお父さんなりの愛情表現であることはなんとなくわかる
「よかったら今日は一緒に夕食でも食べない?カオリ」
お母さんからの提案に私はいろいろと忙しいから難しいと答えた
本当は会って食事をしたいという思いがあったらネルフに気づかれたらお父さんとお母さんにも影響が出る
「わかったわ。しょうがないわね。カオリ。でも何かあったら私かお父さんの携帯電話に連絡してね」
「了解」
お母さんとお父さんはそう言うと高校からホテルに戻ることにしたようだ
「カオリ!」
「ルミナさん」
ルミナさんが私に抱きついてきた。
「大丈夫?」
「かすり傷だけだから。心配しないで」
「そういえばあれはカバンに戻しておいたから」
あれとは銃の事だ。さすがに警察やネルフに見つかるわけにはいかない
これ以上疑念を持たれることは避けたいからだ