私は大学の寮に戻るとルミナさんが出迎えてくれた

「お疲れ様。カオリ」

「お待たせしちゃったかな」

「これから学食で夕食を食べに行こうと思ったところだから。よかったら一緒に行かない?」

ルミナさんの誘いに私は乗った。大学敷地内にある食堂に向かった

「ねぇ、カオリ。どこかで武術でもやっていたの?」

やっぱり来た。この手の質問は当然でできれば避けたいと思っていた質問だったけど。
あんなことがあった後なのだから、質問が来ることは想像できていた

「いろいろとね。格闘術は習っていたから」

「ふ~ん」

ルミナさんはかなり怪しいわねといった感じの様子だった
今はこうやって誤魔化すしかない。本当のことを話すわけにはいかないのだから
できる事なら知られたくない事なのだ。私が『碇シンジ』であったことは
そしてこの世界の『神様』と同等の力を持っている事は特にだ
食堂に着くと私はカレーライスを注文した。ルミナさんも同じでカレーライスを注文していた
料理が出てくると私はルミナさんと同じテーブルで一緒に食べた
食堂には多くの大学生がいた。もう夕食時だから当たり前といえばそうだが
それにしてもここにきて、一気に状況が変わってきた
ネルフにゼーレ。2つの組織から私は狙われている
まだ本格的には攻めてきていないが、それも時間の問題だろう。
それにネルフ側に私がゼーレに狙われているという事実が知られれば、
確実にその理由などについて嗅ぎまわることは簡単に想像できる
そうなれば情報戦という上では私だけでは力不足だ
何とかしなければ、私はネルフという大きなものに踏みつぶされる可能性が出てくる
そこまで事態が進行する前に阻止する必要があるのだ
まぁ今はとりあえず私は考えながらカレーライスを食べる事にした。
そうしたらルミナさんに悩みがあるなら相談に乗るわよと
ルミナさんには何もかもお見通しなのかもしれないが。
彼女まで巻き込むわけにはいかない。この件を知ればルミナさんの命にもかかわるのだから
私はルミナさんにまで怪我をしてほしくない。大切な親友だから
私の事を守ってくれるたった1人の大切な友達
だからこそルミナさんに影響が出るようなことになるなら、私は手段を選ばず徹底抗戦の構えで対応する
たとえそれがネルフに私の真実の姿について漏れる事であったとしても
私を守ってくれているのだから、私もルミナさんを守る義務がある
ルミナさんはこんな私なのに命を張ってくれているようなものなのだ
まるでボディーガードのように。前面に立ってくれている
大切な親友だから守り抜きたいのだ
私とルミナさんは夕食を食べ終わると寮に戻ることにした

「そういえばカオリ。図書委員会から呼び出されていたわよ。本の返却が遅れているって」

ルミナさんの言葉に私はすっかりと忘れていた
大学図書館で借りた本の返却を。私は急いで返却するために寮に本を取りに戻った
自分の部屋に戻るとすぐに本棚から返却する本を取り出す
全部で5冊にもなる。ジャンルはいろいろだ。古典から現代小説までいろいろと借りていた
私はそれを持って急いで図書館に向かった
もうかなり時間は遅いが図書館は閉館していない事は確認済み
何とか図書館に到着すると図書委員会の委員にもっと早く返すようにと忠告された
もっとも、いつもそれを守ることができたことがないのだが