「話は以上ですか?」

私はそろそろ眠りたいと思っていた
これ以上ネルフと茶番劇を演じるつもりはないからだ

「今夜はこの辺りにしておこうかな。でも後日時間を作ってもらえるかな?」

「ネルフのために時間を作れと言うのでしたらお断りします」

「ネルフ嫌いは徹底しているね」

「彼に教わったので。どれほど汚い組織であるかについては特に」

ネルフがどれほど裏で汚い事をしてきたかについてはよく理解しているのだ
だからこそ彼らに協力するなど絶対にありえない
たとえそれがどんなに世界のためになったとしてもネルフとは協力するつもりはない
確かに組織には2つの面がある。綺麗な面と汚い面。
綺麗な面ばかりの組織などありえないのだから
それでもだ。ネルフやゼーレは汚い事をやりすぎた
これはどんなにきれいごとを並べたところで正当化などできるはずがない
私は、いや『僕』はそのことを知りすぎているのだから
彼らが犯した罪はあまりにも大きすぎる
だからこそ、ネルフやゼーレ関係の組織と協力することはないのだ

「また次回改めて話を聞かせてもらうよ」

「その時は裁判所の逮捕状でも持ってくることですね。任意の取り調べには応じるつもりはないので」

「そうさせてもらうよ」

加持さんはそう言うと私の部屋を出ていった
私がネルフに協力する義務はない。むしろ彼らを追い詰めてやりたいと思っている
自らの罪を自覚せず、自身の正義のために様々な裏工作をしてきたのだ
そんな汚い組織に私が協力する必要があるはずがない
私には大切な友人がいる。私の事を碇シンジではないと言ってくれる大切な友人が
私の事を見捨てないでくれるこの世界で大切な友人が
だからこそこの先の世界を見ていこうと思っているのだ
この先もずっと戦場で子供に勉学を教える事になる教師になる事を願っている
どんな形でも子供には明るい未来を見せてあげたいのだ
子供には無限の可能性がある。でも戦場ではその可能性は限られたことにしか向ける事しかできない
私はそんな世界にならない事を望んでいる
平和になれば子供たちは明るい未来を見せる事ができるかもしれないからだ
周りから見てどんなに苦労するような平和だとしても私は子供たちに未来を見せてあげたいのだ
そして子供たちが平和に暮らせることを望み続けている
これは私が教師になったらどんな戦場であっても忘れてはならない事だ
戦場でも学校は必要だ。ただし教える事は子供が明るい未来という希望を見る事ができることにしたい

「苦労しそうね」

『トントン。カオリ、ルミナだけど良いかしら?』

私はルミナさんの入室を認めた。

「彼はネルフの関係者よね?どうするの?」

「私はネルフとは決別した関係を維持したいので。ネルフに協力するつもりはないから」

「カオリ。何か困ったことがあったらいつでも相談してね」

ルミナさんはそう言うと私の部屋を退室していった
遺された私はベッドで眠る事にした。今日は疲れた