またしても警察に事情聴取を受ける事になるとは、
私にはこの高校は不幸が詰まっているパンドラの箱に感じられた
一応、事情聴取をした警察はターゲットを碇レイさんや渚カオル君だと思っている
ネルフの重要人物でありエヴァのパイロットなのだから当然だ
それにしてもだ。ガラスが何枚も割れている。
こんなことならいっそのこと防弾ガラスにでもしておけば良いと本気で思ってしまった
守りたいなら徹底的にやるべきだ

「ルミナさん。これからカラオケでも行きませんか?」

「カオリからのお遊びのお誘いなんて、珍しい事もあるわね。気分転換に行きましょう」

後始末はネルフの関係者に任せるとして私達は今日は遊んでから帰る事にした
高校の敷地を出たところで加持さんが待っていた

「水川カオリさん。少し良いかな?」

彼は気軽に話しかけてきた。まったく迷惑なものだ

「デートのお誘いですか?あいにく、私、年上は好みではないので」

「それじゃ、コーヒーを一緒に飲まないかな?払いは持つよ」

どうやら簡単に諦めてくれる様子はないようだ
私はルミナさんに遊びはまたの機会にというと彼に付き合う事にした

「それで何の用なんですか?もしかして私とエッチな事をしたいとか考えていたりしませんよね?」

「俺は妻持ちなんでな。あいつを怒らされると殺されるかもしれないし。美人な君なら恋人を作ったりしないのかな」

「残念ですが。恋愛に興味がないんです。そんなことをしている暇があったら読書に時間を使いたいので」

これは事実だ。本を読んでいる時間の方が大切だと思っているので恋愛には興味はない
何人かアプローチしてきた男子大学生がいたが興味はないので断っている
恋愛に関しては私は大学では『氷の女王』と呼ばれている
別にそんな呼ばれ方をしても実害がないので放置している

「話し戻しますけど、何の用件ですか?くだらない話なら蹴り飛ばしますよ」

「とりあえずお礼を言っておこうと思ってね。レイちゃんやカオル君を助けてくれたことについて」

「その件でしたか。偶然ですよ」

「そうかな?本当は狙われたのは君じゃないかな?」

どうやら確信があるのかそれとも試しているだけなのか。
ここはあいまいにしておいた方が得策だと考えた

「私なんかを殺して何のメリットがあるんですか?」

「ネルフにも勧誘されている秀才の頭脳が欲しいと思っている組織。例えばゼーレとか」

「もしそうだとしたらネルフはかなり雑な警備をしている事になりますね」

私がそう言うと痛い所を疲れたねと答えた
確かに雑な警備をしている事は事実だねと彼は言った
私はわざとではないかと疑っていたのだ。
私がどう行動するかを見極めるために現状を放置しているという考えがあった

「あなた方ネルフは私を疑っていると思っているのですか?私がゼーレに加担していくのではないかと」

「どうしてそういう結論になったのか教えてくれないかな?」

「ネルフは碇シンジ君の遺志を継ぐ私の行動に警戒している。裏事情を知っている私をどうするべきか考えている」

「なかなか強烈な意見だね」

私はもちろんゼーレ側に協力するつもりはないし、ネルフ側にも協力するつもりもない
あくまでも中立の立場を貫くのだ