私達が大学付属図書館に到着するとルミナさんは図書部の部室に向かった
私は図書委員会の会議室に向かった
図書委員である以上、所蔵本の整理以外に図書館を利用する学生
彼らからこんな本が欲しいといったリクエストを募集する意見箱に入っている要望書のチェックをまずする事にした
意見箱を回収して中身を見ると、いつものようにたくさんの要望書が入っていた
それらを1枚1枚見ていくことにした。これも図書委員の仕事の1つである
要望には今後購入希望の本や運営方法について手厳しい意見も書かれていた

「相変わらず手厳しい意見ですね」

私は1通ずつきちんと精査していった。
大切なものなど今度の図書委員会で議題になりそうなものを振り分けていった
面倒な作業だが大切な事である

『トントン』

会議室のドアがノックされた。私は作業の手を止めた

「開いてますよ」

「カオリ先輩!」

入ってきたのは図書委員会の委員の1人で後輩であり、
アメリカ合衆国から来た留学生であるアイラ・フローレスさんだ

「アイラさん。どうしたんですか?」

「先輩~。委員長が私が提出した入希望の書籍が多すぎるって怒るんです」

彼女も私と同じタイプだ。読書が好きだが図書部には加入はしていない
でも本を読むのが好きで留学してきた時からすぐに図書委員会に参加している
彼女の唯一の欠点というと購入希望の書籍リストが多すぎる事だ
去年も50冊以上も購入希望を出していた。ちなみに私は20冊程度の押さえている。
あんまり露骨にすると委員長に怒られるので。

「アイラさんはもっと本を絞り込まないと。いくらなんでも多すぎですよ」

ちなみに今年は何冊なんですかと聞くと40冊近い量だった
いくらなんでも多すぎだ。それでは図書委員長が起こるのも当然である

「でも日本の本は面白いものが多いんです。カオリ先輩からも圧力かけてくれませんか?」

「いくら私でも40冊は難しいわよ。私も毎年20冊程度にしているから」

「先輩なら何とかなりませんか?」

「アイラ、私にだって後輩であるあなたのお願いを何とかしてあげたいけど、無理な事もあるのよ」

私の言葉に涙目で懇願してきた。お願いしますと
私はため息をつくと、交渉はしてみるわと伝えるとお願いしますと礼を言われて会議室を出ていった

「アイラさんにも困ったものね」

いつもの事だけどこういう時には人頼みなのだから
ちなみに彼女は留学生であるが日本語はぺらぺらだ
ただし、話す方は完璧に近いのだが書く方が苦手だ
世の中完璧な人間などいないのだから、当然と言えば当然だ
私は例外だ。だって『神様』なのだから。世の中インチキはいっぱいある
だからそんなものだと私は思っている。そんな事を考えながら意見書を分けていった。