夕食のカレーライスを食べ終わると私は自室に戻り、明日の月曜日の教育実習の用意をはじめた
碇レイさんに渡したあのメモが、ネルフサイドに対してどのような効果が出るのか
そしてネルフや碇ユイがどのような行動を起こすかはあまり想像したくない
どうせ墓を調べたところで、ただの墓標に過ぎないのだから。
名前と死亡した年が刻まれているだけのただの墓標だ
DNA鑑定をしたくても遺体はない。私が碇シンジであることが発覚する事はないはずだ
そのはずなのだが。どこで内容が変わってしまうかわからないのが
それもこの世界の流れというものだ。運命を受け入れていくしかないのだ
でもたった1つ守らなければならないことがある。それは私が『碇シンジ』ではないという事だ
これだけは譲れない一線である

「本当に苦労するわね」

明日の用意を終えると私はベッドの上で横になった。
ベッドサイドには1枚の写真が飾られていた
海岸の町の両親とルミナさんと一緒に記念写真を撮ったものだ
私にとっては大切なものだ。

「それじゃ眠ることにしましょう」

私は照明をすべて消灯して睡眠をとった
明日からはまたしても忙しい毎日が待っているのでしっかりと休息を取らないと
翌朝、午前6時に目を覚ました私はとりあえず朝食を作る事にした
朝食と言っても卵料理でスクランブルエッグを作るだけなのだが
部屋の中にあるキッチンで料理をして今日はきれいにできたと安心した
たまに焼きすぎて焦げ目がついたりしてしまう事もあるのだ
私はさらに盛り付けるとそれを食べた
いつものようにグロック17をカバンに入れてリボルバーを足首に装備
昨夜用意した教育実習を受けるための教材が入ったカバンを持ってルミナさんの部屋に向かった

「ルミナさん!起きてますか?」

『少し待って!もう準備が完了するから』

多分着替えているのだろう。ちなみに私の今日の服装はリクルートスーツだ
きちんとした服装でないと問題があると考えての選択である
数分待っていると、ルミナさんも私と似たような服装で部屋から出てきた

「おはようございます。それじゃ、行きましょう」

「おはよう。遅れないようにいかないと。この時間だったらまだバスも混雑していないだろうしね」

私が早く出発する理由はバスの混雑を避けるためである
混雑したバスは苦手なので、少し早めに向かう事にしているのだ
そしていつものように寮の前にあるバス停で待っていると、空席が目立つ市バスが到着した
乗り込むと高校に向かった。通勤ラッシュの前のバスなのでのんびりとした時間を過ごすことができた
私はルミナさんといろいろと話をしていると目的地の高校の最寄りのバス停に到着した
まだ登校している生徒はそれほどいない。運動部で朝練がある部活動の部員はいたけど