高校の職員室に入ると、まだ出勤している先生たちはあまりいなかった
私達はそれぞれに割り当てられているデスクに行きデスクチェアに座るといろいろと用意をした
今日は1時間目は英語の教育指導の様子を見学する事になっている
ただ、幸運には恵まれていないようで碇レイさんがいるネルフ関係者がいるクラスだった
その前に職員会議があるのだが、その前に私は碇レイさんに呼ばれてしまった

「すみません。今日のお昼に時間を作ってもらえますか?」

「どうせ来るとは思っていたから。でもあのことで話すのは1度だけよ」

人の生死に関する話を何度もするのは好きじゃないのと私は彼女に伝えた
碇レイさんはわかりましたと言ってクラスに戻っていった
何とか職員会議の前に話を終わらせることができた
それにしても面倒な事である。ネルフ関係の話となると
特に『僕』がらみの話となると積極的すぎるのが問題である
職員会議が始まるが、内容は現在の生徒の学力がどのていっどまで進んでいる、
また問題を起こしているような生徒がいるかなどの話が中心だ
幸いな事にこの高校には問題を起こすような生徒はいないので粛々と進み会議は無事に終了した
私とルミナさんは1時間目の英語の教育指導の様子を見学に行った

「カオリ。昨日彼らと何かあったの?」

ルミナさんは何かを察しているのか。それともかまをかけているのかわからない
私は何もないですよと答えた。別に何か特別なトラブルがあるわけではない
今のところはだが。碇レイさんに渡した『僕の墓標』がどれほどの効果になるのか
それは今の段階ではわからない。私は心のどこかで彼らにもう碇シンジという過去に囚われてほしくないと
そんな事を思っているのかもしれない。過去ばかりに囚われるのではなく未来を見てほしい
とりあえず目の前の事に集中する事にした。今は教育実習の真っ最中の期間なのだから
私とルミナさんはいつものようにクラスの一番最後尾から、
指導内容の見学をして必要なところはメモを取っていった
時間は流れるというのは早いというもので、お昼休みを迎える事になった

「ルミナさん。私は今日のランチは別で」

「わかっているわ。気をつけてね」

はいと返事をすると碇レイさんがいるクラスに向かった
この際だからまとめて話をしておきたかったという感情があったのかもしれない
彼女たちのクラスに行くと私が来るのを待っていたようだった

「時間を作っていただいて感謝します」

「今日限りにしてもらうわよ。彼の話の中には良い思い出はないからね」

私の言葉に碇レイさんはわかっていますと答えた

「それで何を聞きたいの?」

「どうして墓標がある事を最初に教えてくれなかったんですか?」

「彼は静かに眠る事を望んだのよ。エヴァパイロットとして埋葬されることを望んでいなかった」

あなた達みたいに英雄みたいな扱いされるなんて嫌だったのよと冷たく話した
まるで神格化されたような存在になるなんて嫌だったことは事実だ
平和に暮らせればそれでよかった