私は碇ユイに対してストレートに言った。もう『家族』とは思っていないからだ。
ただの自己満足のために家族すら巻き込んだのだから
利用できる者はすべて利用した。止める事ができたはずなのにそれもしなかった
罪深いといえば最も罪深い者の1人である

「自分勝手に正義の味方を気取っているあなた達が私に何の用件ですか?」

「シンジは本当に自殺したんですか?」

その質問に私は大きなため息をしてしまった
しつこい連中だと思ったからだ

「あなた達は彼に何を求めているんですか?悲劇の英雄?」

私は子供をぼろぼろになるまで利用したバカな人の言葉とは思えないですねと冷たく突き放した
それが現実なのだから。仮に私が碇シンジの生まれ変わりだと知ったら彼らは好き勝手にするだろう
そんな事は私が許さない。絶対にさせるつもりはない。
私は英雄なんてものじゃない。ただの迷惑な『神様』なのだ
人々に幸福をもたらすためにいろいろと頑張ったのだが平和には程遠い所もある
人は戦いを捨てる事はできないのだろう。
どんなに神様が平和を望んでいるといってもそれを利用する者がいる事は事実だ

「シンジは本当に死んだんですか?」

「何度も同じことを聞いて何の意味があるのですか?彼は死んだ。あなた達が殺したも同然ね」

私は碇ユイに対して厳しく当たった。今更ながらバカな女だと思っていたからだ
自分の夢のために何もかもを犠牲にしたのだから。
僕がどんな目にあうかわかっていたはずなのに

「もしシンジ君が生きていたらこう言ったでしょうね」

私く冷たく突き放すかのように言い放った
人殺しと。彼女はその言葉を聞いて返事ができなかった

「すべてあなた達が悪いんですよ。ネルフも。ゼーレも。ただ自分の欲求のためにすべてを壊した」

でも最後にチャンスを与えるために元に戻したのにあなた達は自分勝手に事実を捻じ曲げた
私がそれが許せなかった。結局のところ、今も自分勝手に社会を操作して英雄でいる事が

「シンジを殺したのは私達が原因と言ったのは」

「彼があなた達が好き勝手にしたこの世界を元に戻したのに、その彼すらも利用しようとしている」

それだけの話ですよと。突き放す冷たい言葉しか出なかった

「水川カオリさん。シンジのことをもう少しお話しできませんか」

碇ユイの言葉に私は思わず拳銃で撃ち殺してやりたいと本気で思った
彼女がどういう感情を持っているのかは知らないが、今更何を知ろうというのだ

「もう1度聞きますが。あなた達は彼をどうしたいんですか?悲劇の英雄として利用したいのか」

それともネルフの権限拡大という身勝手の事に利用したいのかと厳しく質問をぶつけた

「私はただシンジに謝罪したいの。今の立場を捨てても良い。本当にごめんなさいと」