「碇ユイさん。今更謝罪して彼が生き返るとでも思っているんですか?」

バカな事を考えていると思っていた。謝罪するには時が経ちすぎている
私は『碇シンジ』ではなく水川カオリなのだから

「それは・・・・・・」

「あなた達があんなことを計画したから彼は死ぬことになった。つまりあなた達が殺したんですよ」

私の言葉に碇ユイは少し泣きそうな表情を浮かべたが私は容赦をするつもりはなかった

「本来なら殺人罪に問われるのにネルフはすべてを正当化した。思い上がりもほどほどにする事ですね」

私は言いたい事をすべて言ってやった。もう後悔などを感じる事が無いように
でもすべてあたっている事だ。私にとって碇ユイは家族ではない
私を壊そうとした悪魔と同等の人物なのだ
話は以上ですねと切り上げようとした時、執務室の外の廊下から金属音がわずかに聞こえた
それは銃のスライドを引っ張る音だ
私は高波教授と碇ユイを強引にしゃがませると足首のホルスターからリボルバーを抜いた
次の瞬間、銃弾が扉を貫通してきた。まったくもってネルフの警備は甘すぎると思いながらも
狙いは碇ユイか私か。おそらく後者である私が狙いだろう
リボルバーである程度、狙いをつけると発砲した
すると、被弾したのか苦しみを感じる声が聞こえた。
相手もまさかこちらが交戦してくるとは思っていなかったのだろう

「あなた、その銃は」

「シンジ君に言われたんですよ。自衛のために武器は携帯せよってね。もちろん非合法ですけど」

上手く言い逃れの手段として利用させてもらう事にした
相手は徹底抗戦の構えのようだ。私はカバンからあるものを取り出した
グロック17だ。リボルバーだけでは対応できない。
今この状況を乗り切るためには手段を選んでいる暇はない
私は次々と弾をドアに撃ち込んだ。

「まったく、ネルフのせいで私にまでとばっちりが来るのは迷惑よ!」

これは事実だ。ただの大学生で淹れたのにネルフに注目されてからこれだけの騒ぎが起きるのだ
はっきり言って迷惑以外の何物でもない。だが相手もなかなかしつこい連中だ。
私はグロック17のマガジンを1つ交換すると再度発砲した
それでもあきらめないとはなかなか度胸があるといえる
その時だ、パトカーのサイレンの音が聞こえてきた

「もう無駄な抵抗よ!死にたくなかったら武器を捨てなさい!」

しかし相手はやめる気が無いようだ。よほど私の身柄を欲しがっている
それだけははっきりと分かった。だが既に警察が来ている
これ以上抵抗するだけ無駄というものだ

「諦めが悪いわね」

私はポケットから手榴弾を取り出すと銃弾によってドアに開いた穴めがけて放り投げた
いい感じに手榴弾はドアの向こうに通過して炸裂した
これでついに相手からの銃による攻撃は終わった

「命がいくつあっても足りないわね」