翌朝、大学の寮の自室で目を覚ますと今日も教育実習に向かうための用意をする
なんとなくだが今日は朝食を食べる気分ではなかった
高校に行くための用意をすると部屋を出てルミナさんの部屋のドアをノックした

「ルミナさん。起きてますか?」

ドアをノックすると鍵はかけていないから入ってきてという声が聞こえてきた
私はルミナさんの声に力が入っていない。体調不良を起こしているような感じの声に感じた
ルミナさんの部屋に入るとベッドで横になっていた

「大丈夫ですか?」

「風邪を引いたみたいなの。悪いんだけど、今日は体調不良で休むと伝えてくれない?」

私はわかりましたと答えた。
ルミナさんに風邪薬は飲んだのか確認するともう服用していると答えが返ってきた

「高校には私から話を通しておきます」

今日はじっくりと休んでくださいというとドアを閉めた

「今日は1人で行くしないみたいですね」

内心では寂しいと思いながら寮の前にあるバス停でバスを待った
そして高校生で満員のバスが到着するのでそれに乗り込む。
1人でいる事にこれだけ寂しさを感じるのは久しぶりである
ルミナさんがいないことに少し悲しさを感じながら、
高校の前にあるバス停に到着すると大勢の高校生と私も降車した
職員室に入ると教頭先生にルミナさんが風邪で休むことを伝えた

「そうですか。体調不良は仕方がない事ですね」

「明日には元気になっていると思います。今日は私1人になりますが」

私は深々と謝罪をすると教頭先生はそこまで謝罪する事はないですよと優しく語りかけてきた
本当に良い先生である。今日も教育指導の様子を観察する
いつもと違ってルミナさんがいないことに私は寂しさを感じていた
お昼まで順調に進んでお昼休憩の時間になった
私は屋上に行って高校の食堂で購入したクリームパンを食べ始めた

「平和だ」

思わず愚痴るかのようにこぼしてしまった
平和と言ってもここ最近になって、そうでもないようなのは事実だが

「今日は1人なんですね」

アスカさんが話しかけてきた。私の事を探していたのかどうかについてはわからないが

「何か用件かしら?くだらない話ならお断りよ」

「シンジはどうしてすべてを戻そうとしたのか教えてくれませんか?」

「くだらない話ね。でも彼の名誉のために答えてあげる。碇シンジ君は平和を望んだ。争いのない世界をね」

でもそれを改変して自分たちに都合が良い世界にしたのがネルフ。
彼の思いを踏みにじった最低最悪の事をしたのよとアスカさんに伝えると彼女は涙を浮かべていた

「私の事で何か言っていましたか?」

「彼が唯一謝りたかったのはあなたの事でしょうね。でもあなたは彼の誰よりも平和を愛する思いを見捨てた」

本当はアスカさんに謝りたい。でも今の私は碇シンジではない。
水川カオリというただの大学生なのだ。だからもういいのだ

「そろそろ私は職員室に戻るわ」

アスカさんは涙を流していた。でも私は振り返る事はしなかった
もう終わった事なのだから