午後の授業も何事もなく平和に終わった
私は放課後の部活の時間を図書室に行くことにした。少しは時間を有効利用しようと思ってだ
図書室では碇レイさんが本を読んでいた

「水川カオリさん」

「碇レイさん。また会いましたね」

私はそっけなく話をすると本棚から数冊の書籍を抜くと読書に入った
碇レイさんはさすがに邪魔に入ろうとしなかったようだ
いよいよ図書部の部活時間も終わりを迎える時になった
私は本を戻すと大学の寮に帰宅する事にした
寮の近くにある薬局で栄養ドリンクなどをルミナさんに差し入れをしようと思った
図書室を出ようとすると碇レイさんがバス停まで一緒に行きませんかと質問してきた
私としてはもう嫌なのでごめんなさいねと言うと断った
彼らと関わるつもりなどない。もうネルフにもゼーレにも振り回されたくない
彼らが知りたいの碇シンジが生きているか。そして碇ユイは息子を取り戻したいのかもしれないが
他の連中はただサードチルドレンが欲しいのだ。碇シンジではなく悲劇な英雄という存在を求めている
そんな連中のところに行きたいなんてごめんだ
誰が好き好んで、また碇シンジという存在を利用されなければならないのか
そんな狭い世界などに居たくない。私は広い世界に身をささげると決めたのだから
私はそんなことを考えながら高校の前にあるバス停でバスを待っていた
余計な連れがいたので内心ではうっとうしいと感じていたが

「少しだけでも良いので」

「碇レイさん。あなたが欲しいのは碇シンジではなくサードチルドレンとしての存在。彼が絶望したのもわかります」

「私にはそんなつもりは」

「あなたはそうかもしれない。でもネルフはそう思っている。きっとね」

だから何度も言うけどシンジ君を殺したのはあなた達が自分勝手にした結果なのよと冷たく突き放した
私の冷たい言葉に碇レイさんは反論する事はできなかった
私はもう終わった事なのだと決めている
バス停に大学寮行きのバスが到着するとそれに乗り込んだ
碇レイさんとはそこで分かれる事になった。今日のところはだが
バスの車内は空席が目立っていたので座席に座る事ができた
静かな時間を過ごすことができている。
大学寮前のバス停で下車すると私は近くの薬局で栄養ドリンクなどを買ってルミナさんに差し入れに行った

「ルミナさん。大丈夫ですか?」

『カオリ~。何とかして~』

私は少しため息をつくと入りますよと言ってルミナさんの部屋に入った
ベッドではかなり疲れた顔をしているルミナさんがいた

「大丈夫ですか?」

「ちょっとだめかも」

顔色は明らかに悪かった。もう救急車を呼ぶべきかと思ったほどに

「ルミナさん。救急車を」

「それはやめて、風邪で救急車なんてみんなの笑い者よ」

「でも状況は良くないですよ。顔色は悪いですし」

私の目から見ても明らかに体調不良が悪化したといえる
このままではまずいかもしれないと感じた

「ちょっと待っていてくださいね」

私は1度ルミナさんの部屋を出るとある友人に連絡を取った

「カオリなんだけどすぐにルミナさんの部屋に来てもらえない?」

私は携帯電話でそう伝えると1人の女友達が駆けつけてくれた
彼は医学生だ。医師の卵である。病院に行くのが嫌なら簡単に見てもらう事にした

「どうしたの?カオリ。あなたからコールなんて珍しいじゃない」

「ちょっとね。ルミナさんの体調を見てほしいの。病院には行きたくないって意地を張って」

仕方がないわねと彼女は言うと私と一緒にルミナさんの部屋に入った