私は再び医学部医学生の友人と一緒にルミナさんの部屋に入った

「往診は受けてもらいますよ」

「カオリ。風邪薬を飲んでいたら大丈夫なのに」

ルミナさんは強がっているように見える
私の数少ない友人で医学生の女友達に往診をしてもらったところ

「ルミナ、検査を受けた方が良いわ。それも精密検査をね」

「どういうこと?」

「もしかしたらインフルエンザの可能性があるわ。正確な答えは検査をしないとわからないけど」

これは大変だ。すぐにでも病院に連れていくべきだと私は考えた

「ルミナさん」

「嫌よ」

私は抵抗するルミナさんに少し頭を痛めながらも、もう強引に連れていくしかないと判断した。
携帯電話を取り出すとタクシーを手配した。それを見たルミナさんは慌てた様子を見せた

「だめです。症状が軽いうちに治療を受けるべきです」

私は絶対に行かせますからねと強引に伝えるとルミナさんはしぶしぶ了承した

「わかったわ。カオリには負けたわ」

「それじゃ行きますよ」

第三新東京市立医療センターに行くことにした
私はルミナさんの着替えを手伝って、部屋を出るとすでに寮の前にはタクシーが待っていた
タクシーに乗り込むとすぐに医療センターに向かった
一般診察はもう終わっているのだが、
救急外来という事で受診をさせてもらう事を事前に連絡をしていた
市内中心部にある市内で最も医療設備が整っている第三新東京市立医療センターにはそれほど時間はかからなかった
救急外来の出入口から入るとすでに看護師の肩が車いすを用意して待機していた
タクシーで医療センターに到着するころにはまともに歩けない状況にまで症状が急激に進行していた
タクシー代を私は払うとすぐにルミナさんを車いすに乗せて、看護師さんと一緒に救急外来に入った
私は友人であり身元保証人という形でルミナさんに付き添っていた
ルミナさんを担当してくれた医師はルミナさんの症状を見てすぐに血液検査などを早急に実行してくれた
私は待合室で結果が出るまで待っていた。

「水川カオリさんですね?」

看護師さんが私を呼んでくれた。どうやら検査結果が出たようだ
私は状況はどうですかと聞くと、看護師さんはこちらに来てくださいと診察室に案内してくれた

「ルミナさんは大丈夫ですか?」

「彼女はインフルエンザに感染していますが、まだ症状が軽いので治療を早急に行えば大丈夫です」

私は医師からの言葉にとりあえずホッとした。
大切な友人を失うのではないかという恐怖心があったのかもしれない
一応今晩は入院をして治療を受けてほしいとのことだったので、
私が身元保証人になるという事で承諾書などの手続きを行った
大切な友人のためならこういう事をするのは当然の事である
その医師の言葉にひとまずほっとした。重病にはならないと告げられたからだ
ただ、今夜一晩は入院をしてもらうとのことだった
私はわかりましたと医師に伝えると入院手続きを行う事にした