私は高波教授といくつかの確認をすると寮に戻る前に、
この医療センターに保管されているインフルエンザ予防接種を受けるようにと指示を受けた
最も密接にいたのだから当たり前である。私は反対するつもりはないのですぐに予防接種を受ける事にした
痛い事は避けたいのだが、これも予防のためだ。
我慢するしかない。予防接種を受けると私はお金を払うと高波教授とタクシーで寮に帰る事にした
「あの~、高波教授。どうしてあなたまでこっちに来るんですか?」
「いけないかな?一応この街での保護監督者なんだから、海岸の町の両親に連絡をしないといけないしね」
正論と言えばそうかもしれないが。
「ところで高校での教育実習はどうなのかな?」
「今のところ何も問題はないです。教授にご迷惑をかける事はできるだけ避けたいと思っているので」
「でも少しは頼ってくれても良いと思うけど。この街での保護監督者は僕だからね」
高波教授は何か困ったことがあればすぐに連絡するようにと言われてしまった
確かに高波教授に黙っている事はいろいろとある
真実を話すわけにはいかないので難しいところだということはわかっているのだが
高波教授にまでネルフやゼーレの標的になる事は避けたいと思っている
私のせいで誰かがけがをするなんて見たくない
大切な『家族』には犠牲者となるようなことはしたくない
碇シンジの影響が出るようなことは絶対にしたくないのだ
「いろいろとあるとだけしか言えません。今は」
「いずれ話してくれるってことかな?」
私は高波教授まで巻き込むわけにはいかないので、断言はできませんとしか返答できなかった
もう嫌なのだ。『僕』のために犠牲者が出る事は
過去を忘れて前に進んでほしいのに、ネルフはそれをしない
それどころか、逆に過去を調べようとする。無駄な事なのに
私にとっては迷惑な事でしかないのにやめようとしない
『正義の味方』だと宣伝しているけど、実際はすべての元凶だ
彼らが様々なものを生み出したがために多くの事を起こしたのだから
「とりあえず、何か困った事が出来たらすぐに連絡すること。これは保護者としてのお願いだから」
「わかっています。無理はするつもりはないんですけど。不幸の方が私にぶち当たってくるんですよ」
私は苦笑いをしながらそう答えた。
嘘は言っていない。不幸の方から私にアタックを仕掛けてくるのだから
いくら私が神様だからと言っても不幸から逃げる事はできない
何とかして対応するしかないのだから
タクシーは無事に大学寮の前に到着したので私は料金を払おうと思ったのだけど
高波教授がクレジットカードで先に払ってくれた
「あとで金額を教えてくださいね。割り勘にしたいので」
「気にしないで。これも保護監督者としての責任があるからね」
高波教授は私と少し似ている。変なところで頑固なのだ
私はありがとうございますというと好意を受け取る事にした
寮の自分の部屋に戻ると私はシャワーも浴びないでベッドに横になった
「疲れた」