私とルミナさん、そしてルミナさんのご両親と一緒に看護師センターに向かった
事務手続きで受け取った退院許可証を提出するとすぐに回復してよかったですねと看護師さんに言われた
確かにその通りだ。もしあのままルミナさんが頑固で病院に来ていなかったらどうなっていた事か

「カオリ、そういえば今日の教育実習は?」

「私はお昼からです。ルミナさんについては今日は体調不良でお休みという事で手続きをしています」

心配しないでくださいと私はルミナさんに伝えると本当にごめんなさいねと謝罪した
でも私にとってはルミナさんが無事でいる事の方が重要なのだ
もし彼女に何かあるなら私はどんな手段を使ってでも守り抜いてみせる
たとえそれが人を殺める事であってもだ

「本当にいろいろとありがとうね」

「これくらいの事で気にしないでください」

私にとってルミナさんは大切な人だ。それにいろいろとお世話になっているのだから
恩返しと思えばこれくらいの事は当然である
とりあえず私は後の事はルミナさんのご両親に任せる事にした
家族なのだから、たまには一緒にいる機会がある方が良いと考えたからだ
私はというととりあえず大学に戻る事にした。
高波教授に状況を伝えるためだ。それから教育実習先の高校に向かえばいい
お昼から参加することはすでに伝えているので、午前中にできる事は済ませておかないと
医療センターから出るとタクシーに乗り込んで大学に向かった

「眠いわね」

今日は早起きだったから当然といえばそうかもしれない
でも嫌な感じはしなかった。むしろ逆の気持ちを持っていた
ルミナさんが無事でよかった。私にとってルミナさんは大切な親友なのだ
彼女を失う事は最も恐れている事でもあった
やっと私と本当の意味で付き合いができる親友であるルミナさんを失ったら
私はものすごく後悔することになる事はわかっている

「お客さん。大学の前に着きましたけど」

考え事をしている間に大学の前に到着した
私は料金を払うと大学校舎内にある高波教授の執務室に向かった
執務室のドアをノックした後声をかけた

「高波教授。いますか?」

『入っていいよ』

失礼しますというと高波教授の執務室に入った

「何かな?」

「ルミナさんは高校での教育実習はお休みです。私は昼から参加しますので」

「それで何か僕に用事でもあるのかな?」

「高波教授。ルミナさんは今日の教育実習はお休みという事で対応をお願いします」

私は昼から参加することで調整をお願いしますと依頼をした
まだ午前中なので今から行っても良いのだが、たまには休んでも良いと思って大学に来たのだ

「実はこれをある人物に渡してほしいんです。私から直接となると面倒なので」

「つまりネルフ関係という事かな?」

「碇ユイさんにこの手紙を」

私はあるメッセージが記入されている封筒を高波教授に渡した