今回は第三新東京市警察ではなくネルフ本部保安諜報部が単独捜査をするようだ
なぜそれが私にわかったかというと市警察は今回は私に一通り事情聴取をしてすぐに撤収したからだ
問題なのはこれからだ。またしても加持さんと腹の探り合いをしなければならないからだ
面倒で一番いやな事だが

「ネルフ関係でどうして私がトラブルに巻き込まれるのか教えてほしいわね」

「俺としても美人な君と話ができるのは好きなんだけど」

加持さんはそれにしても股間を蹴るとかなり痛い事をしたようだねと言ってきた

「よかったら体験します?私のは特別に痛いですよ」

「男として遠慮しておくよ。見るだけでも痛いからね」

加持さんは痛いのはわかっているからねと苦笑いをしていた

「私としては最も攻撃するうえで重要なポイントだと思っていますので」

加持さんはそれはそうだねと答えた
彼の狙いは確実に、そして明らかに私に絞っていた。
エヴァパイロットである碇レイさんたちではなく彼らの攻撃目標は私だと
問題はどこの組織が私を狙ってきたかだ。
ゼーレだとしてもネルフのおひざ元で攻撃するにはリスクがある
そのリスクを犯してでも価値があると考えているのだろう
私が『神様』だからといってもすべてを把握しているわけではない
人の意識をすべて把握しているわけではないのだから

「よかったら近くのカフェにでも行かないかな?」

「お断りします。あなたが、それもネルフの罠に引っかかるつもりはありませんから」

カフェに連れ込まれた後に襲撃されるということを私は危惧していた
ネルフの事を信用することなどできるはずがない。当たり前といえばそうだが
彼らとは敵対的関係にあるのだから。

「君をどうこうするつもりはないんだけどね」

「あなた方ネルフに利用された人間の末路はシンジ君からいろいろと聞いていますので」

私は加持さんの提案に乗るつもりはない。
利用されてたまるものかと思っていたからだ
ネルフに利用されるくらいなら、どこかに逃げる道を選ぶ
たとえ教師の道が断たれても新しい人生を選択する

「ところでどこで格闘術を学んだのかな?」

「私が答えると思います?碇シンジ君にいろいろと教えられていますので」

あなた方ネルフに何か情報を漏らせば利用されることはわかっているのでと答える
事実そうなのだから。もう彼らに利用される人生はお断りだ
幸せな人生を送りたい。誰にも阻まれない自由な世界で幸せな人生を
幸せは勝手にやってくるものではない。自らが努力して勝ち取るもの

「せっかくの平和な空気が台無しなので私は失礼します」

私はそう言うと図書室から退室していった
とりあえず職員室に戻る事にした。今はネルフの関係者と会いたくない気分だから
今日は私を助けてくれるルミナさんがいない以上、自分でいろいろと対応しなければならない
まぁこれも宿命といえばそこまでの話なのだが
私が自分で選んだ決断だ。

「頑張るしかないわね」

私は職員室に戻ると割り当てられているデスクでレポートの作成を始めた
夕方になり、そろそろ部活も終わり下校時間だ。私も大学の寮に戻る事にした