今日も無事にバスで高校に向かうといつものように高校の前にあるバス停で降車した

「本当についていないわね」

生徒たちの登校時間よりも少し早くこの高校に来た
これもいつもの事である。理由は1つある。私が狙われるのは良いけど
他の高校生に被害を出さないようにするためである
罪もない高校生を巻き込むわけにはいかない
教師になる事を目指しているのだから、犠牲者を出したくない
そう思うのは当然の事である。私のせいで罪もない子供たちが巻き込まれることは嫌だから
私が狙われるのは良いけど、他の何の罪もない生徒が狙われるのは許されない
いつものように職員室に入ると、高校の教師にも私の大学寮で爆発事案があったことが伝わっていた
ただ誰が狙われたかまでは知られていないことは良い事だ。
私も驚きましたと答えるだけで逃げることができることができるからだ

「あなたは大丈夫だったんですか?」

「はい。運が強いんですよ。私は」

「運ですか?」

運が良かったというにはあまりにも好運すぎるのかもしれない

「運も実力の内って言いますし」

確かに運も実力の内である。ただしここ最近運が良すぎる事は事実だ
高校の教師の人たちから心配の声をかけられたが
私自身に何も被害はなかったですよと答えてとりあえずその場は切り抜けた
問題があるとすれば、もしこの事実が明らかになった時は最悪の事態が想定されている
この街から逃げるしかないのだ。もう何もかもを捨てて1人旅をするしかない
でもそれは私はそれを望んでいない。1人旅はあまりに悲しいものだ
孤独で生きるのは寂しい。ただの1人旅ほどつらいものはない
だから誰かと一緒に楽しい旅をしたいと感じているのかもしれない

「そういえばルミナさんはまだ来られないんですか?」

そういえばあれからどうなっているのかわかっていなかった。
私は携帯電話を取り出してルミナさんに連絡を取った
するとルミナさんが良いタイミングで職員室に入ってきた

「遅れてすみません」

「ルミナさん!」

私はルミナさんに抱き着いた。元気に回復した様子を見て安心したからだ
それにしても病院もすぐにルミナさんを開放してくれたことに私は驚いた

「そういえばカオリの部屋がぶっ飛んだって友達から聞いたけど大丈夫なの?」

「昨夜は親友の部屋に泊めてもらいましたので」

私がそう言うとルミナさんは私以外に親友っているんだと
私の部屋で眠っても良いのよとルミナさんが少し不満そうな表情だった
でも巻き込みたくないのだ。親友がトラブルに巻き込まれるようなことは避けたいし
それにルミナさんの許可もとらないで勝手に部屋を理由するわけにはいかない

「本当にカオリは几帳面ね」

プライバシーを勝手に明かすのは良くないというのが私の意見だ
私だって勝手に部屋を利用されることは認めるつもりはない
同じ部屋で一緒に寝るなら許容できるが
私のせいで傷つく人間を見たくないのだから
ルミナさんは私にとって大切な親友だし、守りたいのだ。
大学で出会うことができた本当の意味で信じあえる親友を