この日も放課後を図書室で過ごした後、大学の寮に帰ることにした
もうすっかりこの日常が当たり前のように過ごすことが多くなってしまった
おかげで碇レイさんたちと接触する機会が増えてしまった
私としてはこういう事態は避けたかったけど、なってしまったものは仕方がない
世の中にはなるようになるしかないこともあるのだ
図書室を碇レイさんとアスカさんと渚カヲル君と一緒に退室した

「まったく、どうしてあなたたち一緒に帰らないといけないのかしら」

私としてははっきりといって迷惑な話だ。彼らと仲良くなるつもりはない。
もしかしたらネルフサイドからの別の意図があるのではないかと感じて疑ってしまう

「どうしてそこまでネルフを嫌うんですか?」

「何度も言うけど。私はシンジ君からいろいろと聞いているの。ネルフが汚い事をしてきたこともね」

だから協力どころか関係性を持つことすら許すつもりはないんだけどとストレートに返答した
だがこれは事実だ。私はネルフに協力するつもりはない
もちろんゼーレにもだが。どちらにしても汚い事をしてきたのだから
私にとってはネルフもゼーレも敵であることに違いない
必要なら組織を潰してやりたいぐらいの感情を持っている

「あなた達と付き合うのは好意があるからじゃない。敵だから」

私の言葉にアスカさんは敵ですかと疑問の声を上げた
彼らは何もわかっていないのだ。私にとってネルやゼーレの関係者は敵でしかない
だって私がいくら静かに暮らしたいと思っても彼らが邪魔をするのだから
高校前のバス停に到着するとバスを待つことにした
妙な気配を感じたのだけど、とりあえず私は放置することにした
今、この状況で攻撃を仕掛けてくる者はいないだろう
リスク評価がきちんとできているものならなおの事である
狙いが誰なのかが分かれば私としてはありがたいのだが、私は完璧超人ではない
神様といってもすべての人の頭の中を覗き込むことはできない
私は万能ではないのだ。確かに私は神様のような存在なのかもしれない
でも神様でも人々の心の中や頭の中を覗き込むことはできない
仕方がないのだ。人々の心の中の思いと感情は様々だ
時には人々は未来を見て頑張っている人もいる
だが絶望に向かって突き進む人が存在することも事実だ
私はすべての人を救うことはできない。だから私は教師になる道を選んだのだ
子供たちに明るい未来を見せるために。バス停で第三新東京市営バスを待っている時、ある感情を感じた
それは冷たい視線だ。私は決断を迫られた。守る事も教師を目指すものとして考えた

「伏せなさい!」

私は足首のホルスターに装備しているグロック17を抜いて上に向かって発砲した
これはもう迷っている時間はなかった。狙いがどちらかなのかはわからないが
リスクは回避しておくべきだ。この際、彼らを守るしかない
私が死ぬことはないだろうけど、ATフィールドを展開するような状況は避けたい
私は神様ではなく人なのだから。それもただの学生にすぎないつもりである