「シンジ君には俺としても謝りたい。彼にはいろいろと迷惑をかけた」

「そうですか。もしそうしたいなら天に向かって謝罪すればいい。それだけです」

私は加持さんからの質問に慎重に言葉を選びながら答えをしていた

「君が俺たちを挑発しているのは何か狙いがあるのかな?」

「それはどうでしょう。もう1度言いますが、拷問でもしますか?手をつないで仲良くなんてありえない世界なんですから」

確かに私は挑発をしている。もちろん相手が怒るように仕向けるためだ
ネルフ関係者がどう出てくるか。その緊迫した空気を楽しんでいた

「君の狙いは何かな?ネルフへ協力する気がないということは昔の俺みたいにゼーレの犬になるつもりかな」

「ゼーレもネルフも嫌いよ。私が求めるのは平和な世界。ネルフやゼーレはそれを妨害する組織というのが私の認識よ」

「シンジ君に相当教え込まれていたようだね。でも、もうあの時のネルフは存在しない」

かつてネルフは限られた者しか知らなかったが今では公開組織となっていた
そしてそこに就職や所属できたものは名誉なものだった。何も知らないからこそこう理解できるのだ
私には憎しみしかない。自分勝手ではあるが彼らに好印象は持てない
さんざん僕を利用してもう解決したのだから仲良くなりましょうなんて
そんなの都合が良すぎる

「口では何とでも言えますよね。本当はあなた達も思っているのではありませんか。私がゼーレのメンバーだと」

「碇指令は君の事をかなり気にしている。それにシンジ君のことまで知っていて昔の俺たちのように利用しなかった」

それだけでもゼーレとは少し距離が置いていると考えるべきだよと加持さんは言った
まぁ私には別にどうでもいいことだが

「私に遺志を残して彼は去った。彼がいないなら好きに料理したらどうかしら?」

「加持!私に取り調べをさせなさい!」

そこに別の職員たちにによって封鎖されている部屋のかぎが開けられて葛城ミサトがが入ってきた
私はまたしても嫌な思いをする者もいるだろうが殺されて本望だと思っているので挑発した

「彼にすべての責任を押し付けた葛城ミサトさんが何のつもりですか?」

「何ですって!」

「神様は最後に幸福になれる方法を授けたのにすべての人がそれに納得したわけではない」

「それはつまりシンジ君のことだね」

「加持リョウジさん。あなたならわかるでしょう。紙一重であるということは」

「まぁ一線を越えたらもう止まらないな」

「私は一線を越えてトランプで言うところにババを引いた。それだけの覚悟をしているからよ」

「シンジ君が持たせたのかな?」

「彼は私に強制はしなかった。ただ、遺志を紡ぐ物語を1人だけでも残すことを課題としていた」