銃声を聞きつけたからだと思うけど
すぐに市警察がやってきた。今回ばかりは言い訳としてはかなり苦しい
私はどんどん追い詰められていっている事を今になって理解してしまった
ここに実習先として来てからというもの。トラブル尽くしだ

「どうして私はあなた達を守る事をしているのか理解に苦しむわ。あなた達は碇シンジ君を傷つけたのに」

私はその復讐をしようとしている。だが現実はその逆の道を歩んでいる

「これだけは言っておくわ。私は碇シンジ君からある事も頼まれたの。『自分』を壊した者の抹殺を」

私は殺人罪に問われようと実行するつもりはある。
それを今もしないのはチャンスを与えてあげているだけだ
たった1つの数少ないチャンスを。
これをクリアすることができれば『彼ら』の抹殺を免除しても良い
ただし条件付きでだ。『僕』としてはさっさとネルフとゼーレの件にけりをつけたい
両方の組織をぶっ潰したいと思っているし、今後の事を考えれば迷惑を押し付けられたくない
私はこの世界の『神様』だから公平に裁くつもりでいる
でもたった1つのチャンスを与えようとしている
これは『僕』なりの配慮のつもりだ。本当ならそんな配慮などをしないで裁くべきなのかもしれない
それが私の弱さであると言われてしまうとそこまでの話だが

「碇君は私達を殺す事を望んだの?」

「それはあなた達が選んだ道次第よ。私は彼から抹殺を頼まれた。彼が定めた条件を満たさなければ」

私はあなた達を抹殺することを望まれたと答えた
嘘は言っていない。罪の代償は払ってもらわなければならない

「シンジはそんなことはしないわ!」

「アスカさん。あなたは何も知らないからそんなことを言えるの。サードインパクトの時の地獄を見た彼と違って」

『僕』はあの時に最悪の悪夢を見てしまったのだ
もう忘れることができないほどのものである
だから妥協などをするつもりはない。必要ならどんなことでもやってみせる
例えアスカさんだとしても私は必要なら殺して見せる

「ならシンジ君が見た地獄のような世界の話をよく知っているんですか?」

「渚カオル君。あなた達は知る必要がない事よ。知って良いのはあの現象を起こすために動いたネルフの中枢の人間」

別に私はアスカさんにはその責任があるとは言えない
でも碇レイさんや渚カオル君にはその責任があったことはが少しはあるというのは事実であるが
ネルフの中枢に近かったレイさん。ゼーレに近かったカオル君
私は今は彼らに対して毛嫌いするかのような感情を持っていた
心のどこかでは彼らは殺してやりたいと思っていた
私の抹殺リストの上位に入っているのだから当然である
実行に移さないのは面倒を避けたいからだ。
彼らに危害を今の段階で加えればいろいろと面倒なことになるから

「気を付ける事ね。私はあなた達の味方じゃない。私は自分のために動いている事を」