とりあえず私は銃を捨てた。
表むきは格闘術で敵から銃を確保したという事にする
そうすれば私の指紋が銃に付着していても不審に思われないだろう
つまりだ。また新しい銃を入手しなければならない。
自分を守るためなのだから仕方がない。経費だと思うしかない
かなり高くつく経費ではあるが。私は市警察の事情聴取を受ける事にした
これで何度目になる事だか。そろそろ言い訳が難しくなってきた
警察もそろそろ私の事を監視対象にするだろう
監視の目が警察機構だけならまだ良いのだが、
ネルフサイドからの監視も行われるとなると苦労することになる
結局、私は今だにネルフという呪縛から切り離されていない状況にあるようだ

「本当にあなた達のせいで平和な日常が奪われてしまうわ」

もし『僕』が彼らを殺してやりたいと思っていたなら、
私はすでに問答無用で彼らの抹殺に入っていたはずだ
それを今も実行していないという事は、彼らにチャンスを与えているつもりなのだが
我慢にも限度がある。そろそろ抹殺してやりたいと思っている
これは『僕』の本心である
それもそろそろ我慢の限界を迎えそうである
何としても抹殺したい人物のリストに乗る可能性は極めて高い
すでに数名はその候補として挙げられている

「あなた達は彼に感謝をするべきね。抹殺リストに登録されていないことを」

私はそう彼らに伝えると駆けつけてきた刑事さん達と共に警察署に行くことになった
苦しい言い訳をしなければならない。面倒なことには間違いない
それでもやらないわけにはいかないのだ
私にはこの先の未来を見る『義務』があるのだから
警察署に連行される時は私は覆面車両に乗せられた
女性刑事のペアの2人が運転席と助手席に乗っていた

「今度もまたあなたは彼らが狙われたという言い訳をするつもりですか?」

助手席の女性がそう声をかけてきた
私はネルフと関係が強くあると思われているので狙われているのかもしれないと答えた
嘘は言っていないつもりだ。問題は彼らがどこまで私の言葉を信じてくれるか
ネルフに興味を持たれているというところは間違っていない
ただゼーレにも狙われているという事があるという点を言っていないことだ
結局、その後の事情聴取で今後の事で何かあれば必ず来るようにとのことだ
それとしばらくの間は警護をつけると
迷惑極まりはない話である。
私の将来の夢に向かって頑張っているのに邪魔な存在が増えるだけだ
警護がつくという事は不用意な行動はできない
もし怪しい行動を行えば彼らにいろいろと察知されるだけである
だからこそ被害を最小限にするためにも大人しくしているしかない
警察署に到着して事情聴取を受けるが、
私は狙われた理由はネルフから関心を持たれたことが原因なのかもしれないと
そう答えるしかなかった。