私は加持さんとの話をさっさと終わらせて帰ってもらいたいが簡単にはいかない
でも私にはもう何も話すことはない。それに彼らには知る権利は失われている
おかしな話だが、自覚がないというのは罪を自覚していないということなのだ。
自らが犯した罪の代償を払っていないのに、ほしいからどんな手段を使っても得ようとする
そのやり方が私は嫌いである。もし必要というなら私は許される範囲でネルフを破壊してやりたい
彼らがどんな立場に落ちようとしたとしても、私には興味はない
自らの欲のためにすべてを壊したのだ。だから代償を払うのは当然なのに、それを理解していない
罪の重さもすべて分からせるためなら、私は犯罪行為だとしても実行する。
知らないほうが幸せな事もあるかもしれないがネルフにはその免罪符は該当しない
自らが犯した罪を

「加持リョウジさん。ネルフが犯した罪は重すぎる。だから彼は自ら幕を引いた」

でも『私』にはあなた方を裁く権利があると。
この世界でただ1人、ネルフとゼーレの関係者を裁く権利がある
彼にそう伝えると帰ってもらうことにした。ただ部屋を出る直前でいくつか忠告をした

「君の覚悟はよく理解したよ」

「だから邪魔をしないほうがお互いのためです。そして罪の重さを理解する」

それができていないのはあなた方が犯したことの重大性を認識していない
私はそう言うと加持さんに今度こそ帰ってもらった

「まったくもって迷惑な話です」

もうこれ以上、ネルフの幹部とは接触したくないというものだ
私の大切な大学生活に邪魔が入るのは好ましくないし迷惑なこと

「とりあえず部屋の片づけはまだ終わっていないし。ここは寮長にお願いしないと」

さすがに誰かの部屋を借りるわけにはいかない。
私は確かに狙われていることは確かだ。犠牲者を出したくない
巻き込みたくないのだ。必要ならネットカフェで休むつもりもある

「晴風リョウコ寮長。少しお話があるのですが。今は大丈夫ですか?」

寮長をしている晴風リョウコさんと話をすることにした
リョウコさんはすぐに鍵が開いているからは言って良いわよと言ってくれたので入室した

「いろいろとご迷惑をかけてすみません」

「あなたも大変ね。ネルフから注目されているとはうわさでは聞いていたけど」

「私としては迷惑な話なんですが。私は教師になるつもりで頑張っているので」

寮長は高波教授からいろいろと配慮するようにと連絡を受けていると教えてくれた

「教授がですか?」

「ええ。あなたの事を心配しているみたいね。一応この街での保護責任者ということは聞いているわ」

「いろいろとご迷惑をおかけしてすみません。ところで部屋ですがどうします?」

「高波教授がホテルを手配してくれるそうよ。これを渡すようにと言われているわ」

そこには確かにホテルの宿泊予約の手続き書類が用意されていた
さすがは教授と言ったところなのかもしれない。
私の危険性を十分にわかっているみたい
このままこの寮に暮らすにはリスクがあるということをよく理解されている
だから私はあえてこのご好意を突き放すことはしなかった
ホテルと言ってもここから数キロしか離れていない場所にあるビジネスホテルだ
安全性を考えるならそこの方が良いのかもしれない
この寮に一緒に住んでいる友人を巻き込む事はできない
彼らには何の罪もない。私の無謀な賭けに彼らを巻き込みたくないのだ