私はビジネスホテルに移動した
ホテルの料金についてフロントの従業員に聞くともう支払いは済んでいると言われた
誰が支払ったのか確認すると高波教授が1週間分を支払ってくれていると
つまりいろいろと準備が必要だから1週間はここで宿泊することを意味している
仕方がない。ここは教授の恩恵を受け入れる事にした
部屋のカードキーをもらうとすぐに12階にある部屋に向かった
部屋に入る前に私は少し妙な気配を感じた。私の知らない人物がいる気配を感じた
私はとっさにカバンから銃を抜こうとした
すると意外な事にドアが開いて意外な人物の声が聞こえてきた

『カオリ。私よ』

その声は相川リナさんだ。いったいどうしてと私は思いながらも銃から手を離さなかった
ドアが開いてルミナさんが出てきた

「リナさん。どうしてここに?」

「教授から聞いたのよ。あなたが狙われているから護衛のために一緒にいてあげてって」

私は元国連軍で兵士だったから引き受けたのよと

「それに大事な教え子が殺されるなんて、いやなことだし」

「すみません。リナさんにまでご迷惑をおかけして」

私は申し訳なくそういうがリナさんは気にしないでといった感じだった

「それにしても、注目されている人間は辛いわね。国連にいる戦友に聞いたらネルフがかなり派手に動いているそうよ」

「そんなにネルフが派手に動いているのですか?」

「ええ。彼らはどうしてもあなたの身柄を欲しがっているらしいわ。一般人であり大学生だから無茶をしてこないけど」

それもどこまで我慢してくれるかどうかはわからないわねと
ネルフ内でも意見が割れているそうだ。
組織というものはいろいろと思惑が入り乱れているものなのだから、
そんなことは別に特別珍しいものではないとリナさんは言っていた

「ただしあなたを狙うために家族が襲われる可能性があるから念のためにあの町の旅館には警護がついているわ」

リナさんはもちろんこっそりと悟られないように警護がついているとのことだ
だがそれもいつまで持つ事かわからないと。
私としても家族には迷惑はかけたくない。いまさら『昔の家族』に特別な感情などない
今の両親の方が私にとっては大切な存在である
両親は私が迷惑をかける事を分かっているのに引き取ってくれた。
それに大学の学費まで支援してくれている。
絶対に傷つけられるものなら私はそんな奴らを自らの手で殺してやりたい
法の手で委ねるべきことなのかもしれないが、
それが私を育ててくれた両親のためならどんなことをしてでも復讐をしてやるつもりだ
とりあえずリナさんは私を部屋に案内するとベッドが2つあるツインルームだった

「そう言えばシングルルームなのかどうか聞くのを忘れていました」

聞いていれば驚かなかったのにと言うと、
リナさんは仮に聞いたとしてもシングルルームというようにお願いしておいたのよと答えた

「あなたはツインルームだと知ったら疑問に思ってせっかく驚かしてあげようと思ったのに」

「リナさん。意外とドッキリが好きなんですね」

「あなたを驚く顔が見たかったのよ。でも銃に手を伸ばすなんて怖いわね」

リナさんには見破られていたようだ。
さすがは以前は国連軍の兵士をしていたのだから力量は確かである

「私にも守らなければならないものがあるんです」

「高波教授からはあなたのボディーガードを依頼されたわ」

その言葉に私は驚いた。確かに狙われていることは事実だ
ネルフだけならまだ良いが、ゼーレの分派からもターゲットにされているとなると
私がターゲットになっていることは分かっている。
もう彼らは私の身柄確保のためには手段を選んでこないだろう
その時が最も怖いのだ。私の影響を受けて大切な友人たちが傷つく事なんて見たくない