とりあえず今日はリナさんと一緒に宿泊する道を選んだ
高波教授がいろいろと配慮してくれたのにそれを無視するわけにはいかない

「ちなみに聞きますけど、私はあれは持っていますけどリナさんはどうなんですか?」

私があえて『あれ』と表現したのは拳銃のことだ
どこかに盗聴器があるかもしれないから口に出すわけにはいかない
リナさんは大きなアタッシュケースを見せてくれた。
ケースの中には分解されたアサルトライフルのM4カービンが入っていた

「大丈夫ですか?」

「私の立場は知っているでしょ。過去もね。だからあなたを守るために私はここに来た」

リナさんはこうも言った。あなたの力になりたいのと

「あなたの狙いは何ですか?私の過去を知って何か利用するつもりなのですか?」

私は拳銃をいつでも抜けるようにした。また裏切られるのではないかと警戒した

「あなたを守るために私はいるのよ」

「でもそれはただのはったりということもあります。リナさん。真実を教えてください」

あなたは一体私から見たらどのような立場にあるのかと遠回しではなくストレートで話を進めた
リナさんはこれを見たら安心してくれるわと言うとカバンから財布の様なものを取り出した

「これが私の真実よ」

彼女が見せたのはあるバッチだ。それは国連のマークが入った身分証明カードだ
私はあまりのことに驚いた

「どういうことですか?」

リナさんは私の耳元で小さく呟いた

「私はある人物からあなたを守るように指示を受けているの。あなたのボディーガードをしている」

「誰の依頼です?」

「あなたの事を最も心配している人物としか言えないわ」

私は我慢できなくて銃を抜いた。そしてリナさんに突き付けた
彼女だけは裏切らないと信じていたのに、また裏切られるのではないかと恐れていた
せっかく大切な友人として信じることができたのに。

「あなたまで裏切るのですか?私はずっと信じてきたのに」

私は涙を流していた。高波教授とルミナさん。そしてリナさんは大丈夫だと思っていた
信じていた者に裏切られるのはもう嫌だった。
私の事を利用するだけ利用して捨てるような人間と仲良くするつもりはない
裏切られると分かったなら、もう殺すしかない。利用されるのは嫌だから

「わかったわ。あなたの両親に頼まれたのよ。海岸の町で旅館をしている」

その言葉を私は信じることができなかった。
誰もかれもが敵にしか見えないのではないかと思いたくなかったから
今の両親にまで裏切られたら私はもう

「これを見せたら納得してくれるはずよ」

リナさんは1枚の手紙を手渡してくれた。
私は震える手でそれを受け取ると内容を読んだ
その文字はあの旅館にいるお母さんの文字だった
手紙にはこう書かれていた。実はお父さんは以前は国連軍で仕事をしていたと
サードインパクトが終わった後は軍から抜けた。
お母さんが1人で頑張って経営していた旅館で仕事をするようになった
私が第三新東京市立大学に入学した時にリナさんに護衛を頼んだ
表向きは大学の職員として仕事をしながら、こっそりと見守ってあげてほしいと