「シンジに似ている女の子に話をしただって!」

「アスカさん。大声で叫ばないでもらえるかな」

僕の言葉はまるで彼女の耳には届かないようだった
何処にいるのと質問をするばかりだった。彼女もいろいろとつらい過去を抱えている。
あの儀式のときにシンジ君は神になった。そのあとの記憶は僕にはわからない
知っているのは儀式の当事者だったシンジ君だけだ
彼が生きている可能性に賭けてネルフは必死になって捜索活動をしていた
それでも成果がまるでなかった
だがここにきてシンジ君によく似ている彼女のことを特別なルートで僕は知った
だから最初に確認したがシンジ君と確かに似ているかもしれないけど彼女が嘘を言っているようには見えなかった
つまりシンジ君の生まれ変わりという線は考えにくい

「彼女は違うよ。まるでシンジ君のことを知らないようだし、それに僕のことも知らなかったみたいだから」

「私たちのことを知っているのは限られた人間だけだけど」

でもシンジの生まれ変わりならとぼけているだけよとアスカさんは必死だ
彼女は謝りたいのだ。それは僕も同じだが水川カオリさんが碇シンジ君とは考えられない
ただの似ているだけという線は極めて高い

「今は流れを見ることが重要だよ。もしかしたら何かあるかもしれないし」

僕はそういってアスカさんとの話を終えた
アスカさんは納得していない表情であることは間違いない
彼女も謝りたいのだ。あの時のことを。

「すべては神様だけが知っていることかもしれないね」

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3年B組

正直になところ、いきなりの彼からの接触に私は驚いていた
この街に来た以上は覚悟はしていたが
もう彼らとは私は関係がないのだから知らなくていい事である
誰が暗い過去を掘り返そうとしても私は私の信じる道を進み続ける
妨害してくるようなら反撃をして対抗する

「迷惑な話ばかりよね」

私は少し愚痴るかのように言ってしまった
だが本当なのだから仕方がない。今さらネルフとかかわりを持つつもりはない
関係を持つだけでなく接触してきても知らないふりを続ける
もう『僕』ではなく『私』なのだから
関係などありはしない。だから今はそれで良いのだ
もし本格的に攻めてきたらその時は戦略的な対応をすることが求められる
それらのプランについては下準備をしておく必要はあるが

「世の中簡単に事が進むことはないわね」

そんなことはこの街に移り住むときに覚悟はしていた
どこかで必ず『僕』と『私』のデータを調べてくるはずだと
それでも尻尾を出すようなミスはしない