図書室での私は静かに文庫本を読んでいた
この学校の図書室には様々な本があり、ライトノベル文庫も数多く蔵書されていた
私は時間を忘れたかのようにじっくりと読んでいた
一方で『惣流アスカラングレーさん』と『碇レイさん』の2人は少し離れたところから私のことを観察していた
私には別に関係のない話であることは間違いない事ではあるが
いろいろと考える時間よりも本をじっくり読んでいたら周囲の空気など気にならなくなる

「本当に退屈しないわね」

面倒が起きなければ私は好きに時間を楽しむことができるのだが
この街にあえて引っ越してきたのはそれなりの度胸があるからだ
今さら過去の自分のことを引きつづるほど馬鹿ではない
だからといって何もしないようでは私の中でもやもやとした感情が邪魔をする
決着をつける機会はいつかは来ると思って来たという理由も存在する
この街はネルフのおひざ元なのだから、彼らが何を仕掛けてくるかはわからない
もしかしたらとんでもないことを仕掛けてくるかもしれないのだから
最悪のことも考えたうえでのことだ。それに私は今は『孤児』という扱いである
今の私に守るべきものはない。自らのために行動して対応する。

「何が起きるかわからないわね」

私はそんなことを思いながら読書を続けていた
のんびりと読書を続けているともう1人図書室に入ってきた
渚カヲルだ。はっきり言って今さらどうでもいいのだけど、
彼は『私』のことを『僕』である可能性が高いとかなり見込んでいる
慎重に対応しないと情報漏洩につながるかもしれない
そうなれば今度はネルフが黙っていない
『私』は知らないふりに徹することが最も安全と言える
下手に話をすると察知されるかもしれない
もちろん渚カヲルは使徒ではない。私は使徒はすべて『生まれないように』にした
だから碇レイさんも同じようにリリスとは関係のない存在になっている
彼らは人間であることは間違いない。私もDNA鑑定をしても人間と一致する
私が神様であるという事実は生まれない。発覚することもあり得ない

「あなたも図書室で読書かしら?」

「君に興味があってね。少し話をしたいんだけど良いかな?」

私は読書の邪魔にならない程度なら付き合ってあげるわと回答した
いつまでも逃げることはできないのだから仕方がない

「よく誰かに似ているって言われない?」

「私は男の子に見えるってよく言われるけど、誰かに似ているとは言われたことはないわね」

第二東京市の中学校にいた時もよく男子中学生と間違えられた
ここでもしばらくは同じようなことになることはわかっている
でも今の性別は女子なのだから、碇シンジであると思われることはないだろう