ティアさんが手を振っていたので私は少し駆け足気味で近づいた

「何かありましたか?」

「ルミナからの伝言。守れなくてごめんなさいだって。あなたのことで頭がいっぱいみたいね」

彼女は私達を旅館まで送っていくと言ってくれた。私は別に断っても良かったのだが
今回はお誘いに乗る事にした。たまには車で帰るのも悪くないと思ったのだ
ティアさんの車はセダンタイプの車だった。清潔好きなのか車内は綺麗でいい香りがしていた

「ルミナさんはどうしてあんなに私を心配するのでしょうか」

「それは私にもわからないわ。でもルミナはあなたのことを大切に思っているのよ」

車内にはティアさんの趣味なのだろう。音量は低いがポップな音楽が流れていた
私は普段はテレビなどはあまり見るタイプではないので流行の音楽などには興味はない。
見る番組と言えばニュースなどの報道番組ばかりだ。それ以外に興味はない
娯楽はこの町に住んでいれば、自然と生まれるの物だ。例えば釣りなど

「そういえば、今度服でも買いにいかない?私がコーディネートしてあげるわよ」

ティアさんからの提案だが、私はワンピースなど簡単に着れる服が好みなので。この町にある服屋さんで間に合っている
流行のファッションを追いかけようとか思ったことはないので。都会に出る時も、似たような服装をしている
別に私は町と馴染んでいればそれでいいというタイプなので。
それに地元で間に合わない時は通販などで買ったりしているので
別にこの町から出ていって買う必要がない
だから私はティアさんに失礼の内容に断った

「あなたって、こだわりがないのね。私は流行を追いかけるタイプだけど」

「この町にいたら必要性は感じなくなりますよ。長くいれば」

この町にある小学校は各学年の生徒数は10人ほどだ。子供は少ない。
中学校も同じような生徒数だ。だから誰もが顔見知りであることが多い
この町では誰もが知り合いだ。小さな町だから。誰もがお互いを知り、平和に暮らしている。
第二東京市や第三新東京市とは大違いだ。都会は希薄過ぎる。人間関係が
私にはそんなところは耐えられるとは今は思えない。こんなに暖かい所から出るなんて
今の私には考えられないものだ。

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第三新東京市 ジオフロント ネルフ監察局 局長執務室

「今回の1件。ネルフにとっては大きなダメージだよ。安保理からも強い行動をする国も現れているからね」

局長である蒼崎局長のことばに私は安どの表情を浮かべた。これでネルフはあの町に手を出すことはないだろう
すでにとんでもない実例を作り出してしまったのだから。これでもう1度手を出せばどうなるか
国連ではネルフに対してかなり強硬な意見が増え始めているが。ネルフ側の工作によって何とか抑え込まれている
しかしそれもどこまで持つか。エヴァのチルドレンが殺人未遂を行ったという事は大きな問題になる

「私が盾になって彼女のことを守れるなら、十分です。彼女にはあの町で静かに暮らすことが最も大切な事です」

もし彼女が傷つけば、地球規模の被害が出るかもしれない。それだけは避けなければならない事なのだ