海岸の町 旅館のラウンジ
碇ユイとの話し合いは見事に決裂した。彼女は帰っていった。私はユウさんと一緒に部屋に戻った
「これで良かったのかい?」
「すべて話をしました」
「君は巣立つことを決めたのかな」
「私は、まだ、迷っているのかもしれません。それにもう時間がない事も」
「君が巣立つのは今が最初で最後のチャンスだよ。きっとね。でも無理強いはしない。自分の意志で決断する」
それが大事だよと言うと私を部屋まで送り届けた後、ユウさんは自分の部屋に戻っていった
確かにその通りだ。すべては自分の意志で決断する事が重要なのだ。そうでなければ意味がない。
冷蔵庫から缶コーヒーを取り出すと、ロッキングチェアに座って飲み始めた
私の人生なのだから私が決断する。当たり前のことなのだが、それができないでいるのだから
まだまだ甘いと言われてしまうとそこまでの話なのかもしれない。
でもそれでも今の生活を維持したいと思ってしまうのはいけないの事なのでしょうか
それを知る事が今の私には最も重要な事なのかも
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海岸の町からの帰り道
私は車を運転して第三新東京市に向かっていた
私の息子、いや。娘は予想以上に頑固だ。しかしそれは仕方がない。
私が殺してしまったようなものだ。あの子の青春時代を。だからその罪を今は私がかぶっている
そう思うしかなかった。それが現実だ。
「もう元の関係に戻る事はできないのね」
家族という関係に戻れると思っていた。しかしそれはもう2度とかなうものではないという事は決定的だった
おそらく今後、彼女は私達と会うつもりはないだろう。その決意だけは分かった。
それを私の娘であるレイとアスカちゃんに伝えるのはかなり難しいだろう
本人たちは会いたくてしょうがないのだから。でもそれを彼女は望んでいない
むしろ2度と会いたくないという意志だけははっきりとしている。
「残念な結果だけどしょうがないわね。私達はそれだけの罪を犯したのだから」
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第三新東京市 ジオフロント ネルフ本部
「そうか。彼女はそう望んだんだな」
「ああ、残念だが。私達の元に戻る事はもう2度とない。仕方がない事だがな」
その言葉に冬月は珍しいなといってきた
「どういう意味だ?」
「お前の物分かりの良さだ。いつもなら強引にでも話を進めるだろう」
「シンジにはいろいろとしてしまった。そして、私はすべてを奪った。性別すらな。だからだ」
「そうだな。もうシンジ君ではない。カオリさんだったな」
「それにだ。もう私の娘として生きるつもりはないという事はユイから聞いた」
それで納得するのかと冬月が聞いてきたが、納得するしかないと答えた
そうだ。もう納得するほかない。これがまぎれもない現実なのだから