海岸の町 旅館 私の自室

私はロッキングチェアに座りながら缶コーヒーを飲んでいた
これで私の道はもう決まったも同然だ。もう変える事は許されない事は分かっている
この町で静かに暮らしくいく。そして見守っていくのだ。この世界を。
そしてこれから続くであろう。この世界のあるべき道を見続けていく。
たとえそれが孤独であろうと生きていくしかないが。今は、今を楽しむことにした
目の前の現実を見ていくことも重要だ。将来を見る事も重要ではあるが

私には寿命というものはないのかもしれない。神様に等しい存在だからだ
でも神様だからと言って万能ではない。私にはどこか失われた記憶があることがある事はなんとなくわかっていた
それが何かかは今まで分からなかった。でもその事がエヴァ初号機であることを少しずつ思い出しつつあった
それがあまり信じたくなかったがルミナさん関係であることを少しずつ察し始めていた
もしそうなら、彼女はずっと私のことを見守っていたことになる。それはそれで嬉しい事だ
私と同じような立場の人間がいる事が。1人というのは孤独だ。とても耐えられるものではない
人間とは弱い生き物だ。孤独では耐えることができず群れて生きていくしかない
それは神様であり、人の姿をしている私でも同じだ。孤独には耐えられない。
もし私のような存在が居なければきっと死を選んでいたのかもしれない
しかし今は違う。ルミナさんという強い味方がいる。それにユウさんもいる。
だから今は生きていくことができるのだ。
私は缶コーヒーを飲み終えると、再び冷蔵庫に向かい缶コーヒーを取り出した
そして、ロッキングチェアに座り缶コーヒーを飲み始めた。でもなぜだかいつもよりも苦い味を感じてしまった

「なんだか今日は苦い1日だった」

口で言うのは簡単だが確かにその通りだ。苦い1日だ


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海岸の町 旅館 相葉ユウの部屋

「そう、無事にこの町を出ていったんだね」

『ええ、確認されたわ。これで彼女に手を出す人間はもういないでしょう』

僕は報告をしていた。これで彼女は当面安全は確保され
ネルフも黙っているだろう。静かな生活が保障されることは確実だ
今の彼女にとって重要なことだ。

『念のため言っておくけど、私の事は秘密よ。あなたを一応信用したから話したのよ』

「もちろん心得ているよ。それに彼女も薄々勘づいているようだからね。いづれ答えを出すだろう」

『そうならない事を願う事けど』

「1つだけ教えてもらえるかな?君はどうして彼女を守ろうとするのかな。まるで主を守る騎士のように」

『その問いに答える事はできないわ。特にあなたにはね』

そう言うと彼女は連絡を切った。どうやら彼女にも秘密があるようだ。
まだまだ厄介ごとに巻き込まれることは目に見えている。

「まだ彼女の人生は始まったばかりだね」