第三新東京市 ジオフロント ネルフ監察局休憩室
「そうですか。彼女の携帯電話に電話ですか」
『よほど連絡を取りたいみたいだね。僕はもうやめておくけど』
私は渚カオルと連絡を取り合っていた。別に取り合いたいわけではないが
彼女目当ての話となると話は別だ。守るべき対象の情報は仕入れておきたい
「念のため引き続き見張りを。もし妙な動きを確認すればすぐに報告しなさい」
『それは命令ってことかな』
「あなたに拒否権があると思う?」
そう、彼に拒否権がある訳がない。すべての引き金を引いたのは彼なのだから
彼は分かったよというと探りを入れてみると答えた。拒否権がない以上こちらの言いなりだ。
それを利用するのは当然のことだ。
「あとは、なにを企んでいるのか知らないと動けないわね。ネルフの絡みもある事だし」
その時私の後ろから肩を叩かれた。とっさにホルスターから銃を抜こうとしたが相手を見てやめた
「部長。こういうのをやめてください」
「ごめんなさい。あなたのあんなに真剣な姿を見るのは久しぶりだから」
それて何かトラブルかしらと聞いてきた。私は今はまだと言った
確かに今はまだわからない。だがいづれ分かるだろう。その時には手遅れかもしれないが
でも今は彼に頼るしかない。それが少し辛かった
「ネルフは本格的に動き出すのかしら。そうなれば止める人間は私達」
「部長」
「ルミナ、あなたの使命は分かってるわよね。あの子を守る事とこの世界を守ること。それだけを最優先にしなさい」
部長はそう言うと休憩室を出ていった。私はありがとうございますというとあの町に戻る用意を始めた
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海岸の町 旅館
私はユウさんの車で戻ってくると、すぐに自室に戻った。そして横になるとテレビを見始めた
今日は特に何もする気がおこらなかった。ただのんびりと過ごしたと思った時、また携帯電話が着信を告げていた
「誰ですか?」
『碇レイです。少し、時間は良いですか?』
「悪いけど、せっかくのんびりとしようと思っている時にあなたとおしゃべりをして無駄な時間を使うつもりはないんだけど」
『お願い。少しで良いんです』
私は何を考えていたのかはわからないが、その時はまあ良いかと思ってしまって少しぐらいならと返事をしてしまった
『あの時のことは「その話を持ち出すならもう話は終わりよ。あの件は私は許すつもりはないわ。もう2度と私の大切な人に手を出さないで』わかりました」
そう、ルミナさんが撃たれたことは私にとって許せない事だった。当然のことだが。
彼女はすぐに話題を変えてきた。よほど私と話がしたいのだろうという事はよく理解した
『もう1度だけあってもらえませんか?』
「私はもう碇シンジじゃないわ。この町に住む普通の女性。それもあなたよりも年上のね。だからお断りよ」
そう、私はもう彼女と同じ歳ではない。それにもう彼女たちが知っている碇シンジではない。
もう私にとってはどうでも良いはずのことなのだが
『お願いします』
「何度頼まれても答えは同じよ。私は2度あなた達と関わるつもりはないわ」
さようならと言うと通話を切った