海岸の町 旅館 夕方
私は部屋でのんびりとロッキングチェアに座り、のんびりとしていた
夕食はあとでお父さんが私の部屋に持ってきてくれるとのことだった。今日は宿泊者が多いためだ
そのため食堂が混雑するという事でお父さんなりの配慮だった
ユウさんと一緒に食べることになっていた。彼が1人で食べるのはさみしいと思うけどと言ってくれたからだ

「すみません。ユウさんにまでご迷惑をかけて」

「気にしないで。カオリちゃんとご飯を食べれるなら大歓迎だよ」

そう言うと私達は夕食を食べ始めた。いろいろとお話をしながら
話と言ってもたわいもないないようだ。今日のニュースの話題などの世間話ばかりだ
別にこれと言って特別な話題がある訳ではない。ただお話をしながら食べる。
1人で無言で食べるよりかははるかに良い事だ。夕食を食べ終わると私達は静かな時間を迎えた
何でもないが、平和な時間だ。ただ夕日が海に沈んでいく時間。
これから星々がきらめく時間だ。静かにきらめていき、星々たちが輝きを取り戻す時間だ
昼間は太陽という名の光にさえぎられてしまうが、夜には輝いてくれる。
まるで私のようだ。私は夜だ。ルミナさんやお母さんやお父さんは昼だ。
私は夜の星々の下にいる事が多い。その方が平和だからだ
静かで、まるで誰もいないような孤独の時間。その時間を私が望んでいるのかしれない

「平和ってことかな」

「どういう意味ですか?」

「平和が一番だけど、あまり慣れすぎると勘が鈍るからね」

「それって実体験ですか」

「まぁね。だから今だって、射撃訓練をかかさずやっているんだから」

「極めているんですね」

「それはカオリちゃんも。違う?」

「私に極める物なんて。生きている価値すら「それは違うよ!カオリちゃん!君には生きる理由はあるはずだよ」ユウさん」

私には生きている価値はないと思っていた。ただ何となく生きてるだけだと思っているからだ

「君には生きる理由は十分あるよ。君のことを愛している家族のことをよく考えると良いよ」

「お母さんとお父さんたちのことですか?」

私には家族がいる。そうだ。ようやくわかったのかもしれない。私の生きる意味。
家族と一緒に生きる。これまでも、これからも。例え、私にとってはわずかな時間かもしれないが
でも今を楽しむ。それが大事なのだと

「そうですね。今はまだ家族がいますから。でも私はいつかは1人に」

「君を愛してくれたという事は残るよ。それにルミナさんもいる。これまでも、これからも」

そう、ユウさんの言うとおりだ。例え家族はいなくなるかもしれない。
けれども、ルミナさんはきっと残ってくれる。これまでも、これからも。永遠に