海岸の町 砂浜
私とルミナさんは砂浜に到着すると砂浜に座った。
「ようやく勝ち得た幸せです。それに・・・・・」
「それに?」
「今度来る予定の伊吹マヤさんは潔癖症です。私の事を知っても触れないと思うんです」
「どうしてそう思うの?」
「彼女はきっと、私のことを責めたりしない。追及もしない。ただ、身を任せているだけだと思うんです」
私は少なくともそうだと信じたい。あの時に感じた気持ちが事実ながらそうであってほしいのだ
ルミナさんは気を付けるように言うが警戒する気にはならなかった
「でも警戒は怠らないでね。そろそろ帰りましょう。もう8時よ。みんなが眠っている時間」
「もう少しだけ。見ていたいんです。ここで月を」
私はなぜだかわからないが。月を見てみたいと思った。あの頃は見るのも嫌だったのにどういう心情の変化なのかはわからないが
今はただ、見ておきたいのだ。月を
30分ぐらい月を見ていると私は帰りますと言った。
「なら送っていくわ。バイクの後部に乗って」
ヘルメットはもう1つ予備があるから大丈夫よと言うと道路に戻り、ヘルメットを渡されると私は着用した
そして後部に乗り込むと、ルミナさんの運転で私の家に戻っていった
家に戻るとユウさんが不安そうな表情で待っていた
「カオリちゃん!心配したよ」
「ごめんなさい」
私は自然と謝った。心配をかけた自覚があるという事なのだろう。お母さんとお父さんも出てきた。
とっさにユウさんの後ろに隠れてしまったが、お母さんに怒らないからもう何も言わないで出ていかないでと言われた
私はまた、ごめんなさいと謝るとユウさんと一緒に中庭を抜けて自室に向かった。
「カオリちゃん。君のことはみんなが愛しているから何も言わないで消えないでね。僕も君のことを」
「分かっています。ちょっと冒険がしたかっただけですから」
もう大丈夫ですと言うと私は別館の自室に入っていった。室内に入ると私は冷蔵庫から缶コーヒーを取り出した
ロッキングチェアに座ると月を見ながらコーヒーを飲んだ。静かな夜だ
「何もない。私はそう信じたいだけです」
缶コーヒーを飲み終えて、そろそろ寝ようかなと思った時携帯電話が鳴った
相手はまた非通知だったが仕方がなく出た。相手はだいたい想像はついていたが
「こんな夜に電話してくるなんてどこの誰かしら」
『それは申し訳なかったね。でも君にも知っておきたい情報があると思ってね』
電話の相手は渚カオルだった。せっかくの気分が台無しだが情報があるなら知っておきたい
「渚カオル。私としてはあなたの声など2度と聞きたくないけど情報があるなら聞くわ」
『今回の研修にはネルフは関知していないってことをね。偶然選ばれただけみたいだね』
「つまりネルフサイドから動きはないと?」
『そうだね。そう考えるのが自然というものだよ』
私は一応は感謝しておくわと言うと通話を切った
私はとりあえず先の情報を考えながらも布団を敷くと眠りについた