海岸の町 旅館

私とユウさんは一緒に旅館に戻ると私達は部屋に戻った。私はいつものように冷蔵庫から缶コーヒーを取り出した
ロッキングチェアに座ると私はカバンから手紙を取り出した。缶コーヒーはチェアのそばに置いているテーブルに置く
手紙を読み始めた。内容を読んで私はため息をついた。
内容はこうだ。あなたにはもう私のことを母親と思われない事は分かっています。
でも手紙のやりとりだけでもしてもらえないですか
母とは名乗れなくてもあなたとの関係を消すことは私にはできません。
この願い、聞き入れていただけないでしょうか

「どうして私にこだわるのかしら」

もう2度と戻れぬ遠い過去を追い続けていても人間は進歩しない。
未来を見なければ人間が進歩する事は無いのだ。それを科学者は一番理解しているはずなのに
その科学者が過去の囚われていては未来など切り開けるものだろうか

「私があなたと完全に敵対できればどれほど楽になれるのか。心のどころかでは」

そう心のどこかではまだ家族の関係を思ってしまう。
完全に切れぬ縁なのだ

『トントン』

私は手紙を折りたたむと金庫に入れた。そしてドアに向かった

「はい。どなたですか?」

『伊吹マヤです。もう少しお話、良いですか?』

「少し待ってください」

私はカバンに入っている小型リボルバーを金庫に直した。彼女に拳銃を向けるつもりはない。
そんなことをするタイプには見えなかったし、気配からしてもそんなつもりはないように感じられたからだ。

「どうぞ」

私はドアを開けるとマヤさんがいた

「マヤさん。何かお話って?」

「個人的に話をしたいの。そして謝りたいの。あなたのことを、追い詰めたことを」

あの時、戦略自衛隊がネルフを襲って来た時に最後に聞いたネルフ内での放送音。それは彼女の声だ
だからと言って彼女を恨む気はない。あの時彼女の声を聴いていなくても同じ結果を招いた
そう言おうとしたときユウさんが彼女の後ろに現れた。金属音のするものをさせて

「それ以上彼女の前でネルフのことを語るな「ユウさん。やり過ぎですよ。彼女には責任はありませんから」だけど」

「今は2人きりにしてください」

ユウさんは分かったよというと自室に戻っていった

「愛されているのね。彼に」

「そうだと嬉しいんですけど。知っていますよね?彼の事も」

それは元ゼーレの関係者だという事かしらと。マヤさんは知っているのだ

「どうしてネルフは彼のことを」

「マギのデータはすべて削除しておいたの。それがあなたのためだと思ったから。これがマスターデータ」

あとは壊したら良いだけだからといって1枚のディスクを差し出してきた

「マヤさん」

「先輩は気づいているかもしれないけど。でも、これが私にできる精一杯のこと。ごめんなさい」

「そんなリスクのある事をしたらあなたの立場が。私はもうあの件で傷つく人は」

「私の立場なんてどうでも良い事なの。私はあなたを守る。それに‥‥‥‥」

「それに?」

彼女は次にこういった。私は自分の信念を貫くと決めたと