私があの展望台についたころにはもう徐々に日が落ち始めていた。きれいな色彩をしている夕陽が・・・
展望台に設置されているベンチに腰掛けると、なにもせずその光景を見続けていた。それと同時にある考えが浮かんでいた
『彼女』のことについてのだ
私自身、彼女の素性をまったく知らない。
この町に移ってきた時も私は噂でしか知らなかった。実際にあったのは本当に後の話だった
あの時もこんな時間にこの場所であったのだ。彼女があの時、何を考えていたのかはわからない。ただ悲しい目をしていた。
どこか深い闇を抱えているような。それは今の私のような目だった。
「あなたは、神様を信じるの?」
そう尋ねられた。神様、それは居るはずのない存在。人々が架空の人物であると思っている存在
私にとっては重き言葉でもあった。この言葉を否定すればある意味、自分を否定するようで嫌いであった
でも、あの時、私は肯定の言葉も出ることはなかった。
あの後のことはあまり覚えていなかった。ただ覚えていることは普通に話したことだけだ。ちょっとした世間話
「水川カオリさんかしら」
私は思考中に突然呼ばれたことに驚き声の元に振り返ったとき何もかもが凍りついた。
そこには
「はじめまして、私、碇レイ。よろしくね」
私にはもう、何もかもが壊れ始める音が聞こえてき始めた
そして、私は彼女と会ったことを後に本当に後悔している
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私と彼女とこれからの対応を相談しあっている時、戦いの鐘をなったことを一本の電話で知った
だが、その知った時、すでに崩壊への序曲は演奏を開始し始めていた
まるで、終わることを知らぬ曲のように
「なぜ、そのような事を止めることが!」
『申し訳ないと思っている。だが、彼女が動いたことで彼らは動き始めている』
私はその時、はらわたが煮えくり返るような怒りを感じていた
よりにもよって、こんな時に彼女と接触するなんて!
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「私に、何か用ですか」
彼女はかつてのように静かな女性であった。
今や世界の英雄であり、世間では守護天使と呼ばれている彼女。ただ、私は映像で見たのは数回だけであった
ネルフによる報道規制があったのもだが彼女はメディア嫌いであるとネルフ側の発表であった。
ネルフに嫌われることを恐れたメディアは彼女を報道対象から除外した
本当の真相はわからないままだが。
世界の重要人物が誰の護衛もなくこの町に居ることが私には何よりの疑問であった。
一人のチルドレンがテロと騒がれている今この状況で何の護衛もつけずに一人できた。
私には何かの罠なのか、それとも・・・・・・・
「カオルをやったのはあなたね」
かつて大戦時に見せた無表情の彼女が私に冷たく、冷静に言った。
返す言葉はなかった。あの時、何の罪もない彼を、ただ苦痛の一言を言っただけで彼の生命を脅かし、傷つけてしまった。
ただ、そのことが心を一杯にしていた。彼女が犯してしまったことは自身によって正当化されるものではなかったからだ。
自己満足のために彼を死に追いやろうとした自分が許されることは、永久にないのだから
彼女は返答のないことに苛立ちをし始めたのか、先ほどよりも強い口調で同じことを彼女に言った
「あなたがやったのね。水川カオリさん」
「いえ、碇君」
その言葉に私は怯えた猫のように震え、その場にしゃがみこんでしまった。